2022年01月14日

私はいったい、何と闘っているのか

 中年男が冴えない自分の境遇を嘆き、空回りする人情喜劇。でも今時、一軒家で美人妻と3人の仲良しの子供たちがいるだけで恵まれているのに、なぜ、自分の境遇を嘆くのか理解できませんでした。
 
 作品情報 2021年日本映画 監督:李闘士男 出演:安田顕、小池栄子、岡田結実  上映時間:114分 評価★★★(五段階) 観賞場所:ヒューマントラストシネマ渋谷 2022年劇場鑑賞8本



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 【ストーリー】
 スーパーの主任伊藤春男(安田顕)は、店長(伊集院光)や後輩の店員・金子(金子大地)から頼られている。家ではしっかりものの妻、律子(小池栄子)や長女の小梅(岡田結実)を筆頭にした3人の子供たちとの仲も良かった。

 しかし、45歳になっても主任のままであることや、家族のある事情に鬱屈とした思いを抱えたまま。そんなある日、思わぬことから店長昇進がうわさになる春男だが…

 【感想】
 地方都市の設定なんでしょうが、年収500万円で奥さんが働いておらず、子供3人を一戸建てで育てています。主任のまま出世できなくたって、店では頼りにされているのだから、仕事も私生活も勝ち組としかおもえません。だから、春男の嘆きがとてもバカバカしく思えてなりませんでした。

 まあ、出世できないのは作品内で春男の言動を見ていれば想像がつきますし、サラリーマンの人事なんて人間関係や運も左右するわけです。だから、店内での言動をみていると、なんか昭和の喜劇をみているようで、古めかしく思えてしまいました。このなかで現代っ子のクールな店員、高井役のファーストサマーウイカはもうけもの。

 一方、家庭のほうも小池が安定した演技をみせてくれますし、岡田に加え、高校生の次女役の菊池日菜子、小生意気でデブの長男役の小山春朋の3人の子供との関係は、日常系の作品を見ているようでまったりといいやされて心地が良い。それだけに、春男の空回りがばかばかしいというか、くどいというか。

 小梅が、マッチョな男(SWAY)を突然家に連れてきての結婚話とか、いかにも昭和のホームドラマっぽいエピソードがあるのも、安定感と同時に古めかしさを感じさせられました。ナポレオン(ブランデー)をありがたがる感覚が、それこそサザエさんの波平さんのように古めかしいのだけど。まあ、人情喜劇としてお気楽にみられるし、家族は楽しそうでうらやましい限りなのであまりケチをつけるのは野暮かな。
posted by 映画好きパパ at 06:00 | Comment(0) | 2022年に見た映画 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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