作品情報 2021年イギリス映画 監督:スティーブン・ラリビエー、ジャスティン・T・リー、デヴィッド・エリオット 声の出演:満島ひかり、井上和彦、大塚芳忠 上映時間:91分 評価★★★(五段階) 観賞場所:ヒューマントラストシネマ渋谷 2022年劇場鑑賞10本
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【ストーリー】
2065年、大富豪のジェフ・トレーシー(声・大塚芳忠)は、最新鋭のメカを使い国際救助隊を結成した。その直前、イギリスの美しいエージェント、レディ・ペネロープ(満島ひかり)は、執事のパーカー(井上和彦)とともにジェフに招かれ、国際救助隊の本部があるトレーシーアイランドを訪問。ジェフから国際救助隊についての説明を受ける。
【感想】
60年代のイギリスカルチャーは、「ラストナイト・イン・ソーホー」にでてくるように世界の最先端をいっていました。ポップでクールで未来を予感させる。サンダーバードもその一つです。従来の人形劇と違って、スーパーマリオネーションという特殊手法を採用。ロケット、陸海空の最新メカが登場し、日本でも人気を呼びました。再放送もNHK、TBSなど放送局を変えて何度も行われ、僕も子供のころ、再放送にワクワクした口です。
本作はサンダーバード誕生50周年を記念して2015年に製作された短編3本と、スーパーマリオネーションを使い、コロナ禍のロンドンで作られた新作シリーズ「ネビュラ75」の第1話からなります。日本語版の編集は樋口真嗣。サンダーバードの3本は、1960年代のレコードドラマ(レコードに吹き込まれたドラマ)を音源にして、映像部分は新規に撮影。映画ではスタッフからのメッセージもありますが、当時の技術を使って新作を作るのは大変だったそう。
3本のストーリー自体は、残念ながらたいしたことがありませんでした。国際救助隊というのに、1本目は単なる国際救助隊のメンバー、メカ紹介、2本目はエベレストで噂される雪男の捜索、3本目はイギリスを荒らしまわる武装強盗団の捕獲と、救助の話はありません。それどころか、国際見殺し隊と突っ込みたくなる場面もあるほど。まあ、50年以上前に作られ、テレビでも採用されなかった脚本だから仕方がありません。また、ネビュラ75も唐突に1本目だけ入ったので、これまた中途半端な印象。
ただ、テーマ曲を含めたオープニングシーンや、当時のメカの活躍映像などをスクリーンでみられるというのは、ワクワクします。これだけで特別料金分は惜しくありません。パンフレットなども売り切れだそうで、当時、少年少女だった中高年が劇場で記念に買っている感じです。また、50年前の放送ではペネロープ役を黒柳徹子が吹き替えていましたけど、本作では黒柳の自伝ドラマで黒柳役を演じた満島ひかりが担当。当時のおしゃれでノーブルな雰囲気をうまく再現しています。ペネロープはレディということでファッショナブルでもあり、満島はまさに適役でしょう。そのほかの救助隊員や悪役はベテラン、人気声優をずらりと並べています。満島と井上の掛け合いもぴったりで、吹き替え版のキャスティングは100点をあげたいほどでした。
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