2022年01月18日

花椒の味

 香港映画としては珍しい落ち着いた家族のハートフルストーリー。地味な作品なのにアンディ・ラウら豪華キャストで驚きました。

 作品情報 2019年中国、香港映画 監督:ヘイワード・マック  出演:サミー・チェン、メーガン・ライ、リー・シャオフォン  上映時間:118分 評価★★★★(五段階) 観賞場所:新宿武蔵野館 2022年劇場鑑賞12本



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 【ストーリー】
 香港のOLユーシュー(サミー・チェン)は、実家の火鍋料理屋を一人で切り盛りしていた父のリョン(ケニー・ビー)が急死したため慌てて実家に帰る。女性遍歴の激しかった父と疎遠だったユーシューは、葬儀の準備で、これまで存在すら知らなかった異母妹2人がいることが分かり驚く。

 台湾在住のルージー(メーガン・ライ)は、父の幼馴染ルイチー(ジャン・ヤーリン)との間の子。重慶在住のルーグオ(リー・シャオフォン)は、また別の女性との間に出来た娘だった。最初は戸惑った3人だが、次第に仲良くなっていく。一方、店をだれも継がなければ立ち退く必要がある。ユーシューがとりあえず継いだが、父の味とは違うと常連客から文句がでて…

 【感想】
 非常にまったりとした癒される作品。3姉妹のバトルがあるかと思いきや、最初は警戒しあっていたけど、父親の思い出を語るうちにしだいに仲良くなります。部屋にGがでてきたとき、ルーグオが「お父さんの魂かも」と叫びましたが、Gに転生はしたくないなあ。

 ユーシューは父との関係だけでなく、恋人のクオック(アンディ・ラウ)との間もうまくいっていません。ルージーも母のルイチーが再婚したことで、新しい家族に疎外感を持っています。ルーグオも両親はカナダに行ってしまい、祖母のファン(ウー・イエンシュー)に育てられますがファンの老化に困っているところ。それぞれに事情がある3人が、互いの悩みなどを相談しつつ、ちょっと前向きに生きていこうという姿は好感がもてます。

 家族だからこそ疎遠になったり、本心がいえなくなったりするけど、いざ別れの時がきたときに後悔しないのか。香港、台湾、中国と住む場所は違っていても、思いは一緒です。恐らく日本でもそうでしょう。すごい大きな出来事はないけれど、心にしみる作品です。

 もう一つ、火鍋をはじめとする中華料理の美味しそうなこと。特に火鍋は辛いのですが、父の医師だったホーサン(リッチー・レン)との会話で、「辛味は痛覚だから、辛味があれば痛みが分散されてほかの痛さは忘れられる」というのは印象的なセリフでした。落ち込んだときには辛い物を食べれば良いのか(笑)。

 アンディラウとサミーチェンのカップルは、名作「インファナル・アフェア」など往年の香港映画ではゴールデンカップルといわれています。中年になって穏やかな関係がみられて、香港映画ファンにとってはうれしいプレゼントです。他の俳優も中国、台湾で活躍している人たちがあつまっており、大作映画でないのにすごいのは、プロデューサーを務めた香港映画のベテラン監督、アン・ホイの人脈だそう。ちょっとお得な気がしました。
posted by 映画好きパパ at 06:09 | Comment(0) | 2022年に見た映画 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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