作品情報 2021年ドイツ映画 監督:マリア・シュラーダー 出演:ダン・スティーヴンス、マレン・エッゲルト、ザンドラ・ヒュラー 上映時間:107分 評価★★★★(五段階) 観賞場所:キノシネマみなとみらい 2022年劇場鑑賞15本
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【ストーリー】
ベルリンの博物館で古代文字を研究してるアルマ(マレン・エッゲルト)は、研究資金を稼ぐために秘密の実験に参加する。それは某企業が開発中の恋人型AIのトム(ダン・スティーヴンス)と3週間暮らすというもの。
全ドイツ女性の恋愛データを入力したというトムは、ロマンチックな雰囲気でアルマに迫るが、彼女はうっとおしく思えてならなかった。しかし、そのアルマの反応も自己学習し、トムはどんどん理想の恋人に近づいていくのだが…
【感想】
あと数年すれば、こういうAIができるかもしれません。映画では夜の営みも実現できることになってますが、それを含めて、完全な人間型の外見にするにはしばらくかかるでしょう。でも、自分の気持ちを完璧に言い当て、寄り添ってくれるAI自体はでてきそうです。
そうなったときに人間はどうなるのか。大手の結婚相談所では既にAIを活用していて、自分に合う人を紹介してくれるシステムもできています。でも、人間は思ってもみないことがあって成長するわけですし、対人関係もみんな同じでは成長しません。それが完璧なAIになってしまったら、どっぷりつかってしまいまともな対人関係が築けない人が続出するかも。
本作はそんな哲学的テーマをユーモアにくるんで、笑いながら考えさせるようにしてくれます。家に帰ってバスタブにバラとアロマキャンドルが飾られ、「ドイツ人女性の93%が臨むシチュエーションだよ」とイケメンロボットにもいわれても、「自分は7%の方」といっちゃいそう。日本のドラマで2008年、速水もこみち主演の「絶対彼氏」という人型アンドロイドが恋人になるというドラマもあり、プロット自体は以前からあるもの。しかし、技術の進展でよりリアルに近づけたのが本作といえましょう。
ダン・スティーヴンスとマレン・エッゲルトがそれぞれ、絶世の美男美女でないというキャスティングも絶妙。過去の恋愛の傷をひきずり、仕事の忙しさを理由に恋愛から離れていたアルマはいかにもいそうだし、トムもそこそこの美男子なので、まあ恋に落ちても不思議ではないと思える感じ。ラストもなかなか考えさせるものでした。
こういう人型AIがでてきたら僕も思い切りはまりそうなので、早く実現しないかなあ。
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