*コロナ予防のため、蔓延防止措置がでてからは映画館にいくのを自粛しています。そのため、劇場鑑賞は本作が当面最後。今後は配信、ドラマやアニメの感想をアップしていきます。
作品情報 2021年アメリカ映画 監督:リドリー・スコット 出演:レディー・ガガ、アダム・ドライヴァー、アル・パチーノ 上映時間:159分 評価★★★★(五段階) 観賞場所:Tジョイ横浜 2022年劇場鑑賞19本
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【ストーリー】
運送業の娘、パトリツィア・レッジャーニ(レディー・ガガ)は、パーティでグッチ家の御曹司、マウリツィオ(アダム・ドライヴァー)と知り合い、積極的なアプローチでみごと射止める。だが、マウリツィオの父、ロドルフォ(ジェレミー・アイアンズ)は2人の仲を認めず、マウリツィオは家を飛び出して結婚する。
ロドルフォの兄のアルド(アル・パチーノ)を頼ったマウリツィオは、パトリツィアの後押しもあり、経営の才能を出してくる。実の息子パオロ(ジャレッド・レトー)の愚鈍さを嘆くアルドは、マウリツィオ夫婦を次第に信頼していく。グッチの株はロドルフォとアルドが50%ずつもっており、後継者をめぐって一族の仲はこじれていく…
【感想】
パトリツィアとマウリツィオが出会ってから、大事件が起きるまでの20年以上を追っています。特に登場人物の内面を掘り下げることはなく、それも含めて、史劇をみているよう。グッチという王侯貴族並みの金持ち、ブランドをもった一族が、富と名誉のために傷つけあい、権謀術数の限りを尽くすのは見もので、2時間半を飽きさせません。史実がどうだったのか知らなかったので、結構、驚きました。
庶民出身のパトリツィアは才覚も野望も人一倍。最初は坊ちゃん育ちで頼りないマウリツィオの尻をたたきますが、マウリツィオも次第に権力闘争に目覚めていき、どんどん腹黒くなるのは「マクベス」みたい。いつだれが裏切るかわからない状況が延々と続きます。愚鈍だけど人のいいパオロはいい鴨で、大金持ちの家に生まれるのは大変だとつくづく思います。
1970年代は日本人がグッチにとって上得意で、静かな金持ちと評価。アル・パチーノが「コンニチハ」と日本人観光客に語りかけるのを見ると、現代の日本との落差を感じさせます。また、精神が不安になったパトリツィアが怪しげな占い師ピーナ(サルマ・ハエック)にはまっていくのも、日本でも政治家や財界人が占い師にはまるという話を聞きますが、洋の東西を問わずにたようなものかと苦笑しました。
大物監督に、豪華スターの共演。それにグッチをはじめとする高級ブランドの協力によるゴージャスな衣装の数々は、ファッションにうとい僕でも感心するほど。ヨーロッパのセレブの生活も垣間見えます。70年代〜90年代の洋楽やクラシックのBGMもふんだんに使っています。それにしても、たかが鞄や靴でこれだけのブランドになってしまうというのは、人間は不思議なものです。
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