【ストーリー】
源平合戦から鎌倉幕府の草創期を、執権の北条義時(小栗旬)を主人公に描く。
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【感想】
日本史の中で、源平から鎌倉幕府草創期まで権力と陰謀が渦巻いた時代はありません。親子兄弟が殺し合い、友人に裏切られ、戦国時代や明治維新にくらべてもはるかに血なまぐさい。そんな時代を三谷幸喜がどう描くか注目していました。往年の草燃えるは子供のころに見た記憶はかすかにあります。
第1回、2回は義時がまだ純朴な伊豆の田舎の青年武士時代。片想いの八重姫(新垣結衣)は、平氏に敗れて流されてきた源頼朝(大泉洋)の子供を妊娠してしまうし、姉の北条政子(小池栄子)はその頼朝にぞっこん。ホームコメディーのような場面が続く中、当時のシビアな状況を背景にうまくさしこんでいます。
三谷脚本がうまいのは、登場人物がその立場におかれたらそのような行動をするだろうと納得させられること。頼朝に一見ひょうひょうとして、でもダークな演技もできる大泉を起用したことで、都育ちの貴種に振り回されつつ、次第に邪悪に染まっていく北条氏ら関東の武士団の構図が初回から浮き彫りになっています。
結婚後、初の大役となる新垣の扱いがまたうまい。家や男に振り回される当時の女性の情念、恨みを嫌らしくなく演じられるのは彼女ならでは。その分、政子役の小池が割りをくっている気もしますけど、彼女は以前の大河で巴御前を演じており、この時代とかにはまる雰囲気があり今後に期待です。
三谷組の俳優が多く使われているのも安心材料。三谷組以外では義時の義母、牧の方役の宮沢りえが今後、どう暗躍していくかも楽しみです。それにしても、当時の東国と京の文化の違いや、坂東武士の意地などしっかり織り込んでおり、三谷幸喜の時代劇は面白い。現代の政治コメディーがつまらないのが不思議なほどです。アニメ「平家物語」も今期は放送されているので両方見るのも乙なものです。