【ストーリー】
新島圭介(堤真一)は10年前、妻の貴恵(石田ゆり子)が事故死してから抜け殻のようになっていた。娘の麻衣(蒔田彩珠)も母の死がショックで内向的となり、現在はニート状態。
ところが、ある日小学生の白石万理華(毎田暖乃)が、自分は貴恵の生まれ変わりだといってやってくる。最初は信じなかった圭介と麻衣だが、どうやら本当に生まれ変わりだとわかり…
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【感想】
前世の記憶がよみがえるなんて異世界転生ものみたいだけど、異世界ならいざ知らず、リアルな日本で私の前世はあなたの妻でしたなんて小学生が来たら、びっくりするでしょう。堤の大仰な演技がそんな圭介にぴったり。一方、醒めた蒔田が次第に母親の生まれ変わりだと信じていく過程も丹念に描かれており、しっかりしたつくりになっています。
なんといっても毎田のすごさ。圭介を叱咤激励する妻にも、麻衣をさとして前を向いて歩かせる母親にもなりきっています。セリフを読むだけだったり、自分と同年代の子供を演じるときにうまい子役はいますが、大人の魂がちゃんと入っていると思わせるすごさは、2003年の「14カ月」で当時9歳だった伊藤沙莉の演技以来かもしれません。
実際に、自分の娘の前世がどこかのおっさんの妻だったとわかったら嫌なもの。さらに、圭介は万理華が成長したら結婚しようというなど、ちょっと引いてしまうような行動をとっています。堤の演技がこのへんのいやらしさを今後、どう解消していくのかは見ものです。
それにしても、やはり最後に大切なのは家族です。実際には前世の記憶がよみがえるなんてことはありませんが、亡くなった人の思いを胸に置きつつ、残された人はきちんと前を向いて歩けるかが大切。また、万理華の母(吉田羊)も傷ついています。こうした人たちを癒すような結末に向かってほしいものです。