吉田鋼太郎演じる強面だが愛情たっぷりの父と、男を見る目のない年頃の3姉妹を描いたホームドラマ。家族あるあるのコメディを堪能でき、父が娘を思う親心にほろりとする隠れた名作です。
【ストーリー】
伊藤源太郎(吉田鋼太郎)は、頑固で強情なところがあるものの、賢妻の千鶴(MEGUMI)のサポートもあり、娘3人を愛情を持って育てた。娘たちからも「ハンサム」とあだ名を付けて、うざがられながらも慕われている。しかし、長女の由香(木南晴夏)は不倫ばかり、次女の里香(佐久間由衣)は夫の大輔(桐山漣)に不倫され、三女の美香(武田玲奈)の同棲中の彼氏ユウジ(須藤蓮)は漫画家と名ばかりのヒモ状態。実家を巣立ったはずの3人は、何かというと実家を訪れ、源太郎はそのたびに微妙なアドバイスをしていく…
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【感想】
頑固おやじだけど、会社では部下に的確な指示を出して信頼され、家庭でも妻や娘たちにうざがられても慕われているというのは中年親父にとって理想の人生だなと思ってみています。源太郎は変なこだわりはあるけれど、相手を頭からバカにすることはありません。特に家族に対する愛情は並々ならぬもの。
一方で、若い世代の大輔が男尊女卑にそまって、妻は家事マシーンとしかみていないのをはじめ、ユウジにしろ、美香の前に現れるエリートサラリーマン・大倉(高杉真宙)にしろ、外見はイケメンなのに、内面はお粗末なダメンズばかり。源太郎の「ハンサム」というのは、実は外見を褒めているのでなく、えらそうな態度を千鶴が「またいい顔している」とあきれたら、由香がいい顔=ハンサムと思い込んだことからきています。愛情とうざさがほどよくブレンドされたあだ名なのです。けれども、ハンサムというのは源太郎のように家族へ愛情をきちんと示すことだというのがよくわかります。
3人のエピソードもちょっとコミカルに描かれているけど、いかにもあるあると思わせるもの。人気漫画家伊藤理佐の作品をまとめてエピソードに使っているだけあって、思わず吹き出しそうな男女の機微が次々とでてきます。このへんは、プロデューサーとして有名な山口雅俊が脚本、監督も手掛けてるだけあって、見事にまとまっています。
源太郎夫婦と3姉妹、そしてその相手のダメ男たちといずれも見事な配役。とくに3姉妹がそれぞれダメ男に逆襲するエピソードは、もっとやれやれと応援したくなるほど、息の合った
演技を見せてくれます。タクシーの中で、佐久間由衣がまじめな顔してコメディタッチな演技をしたときは、お腹の皮がよじれると思うほど笑いました。非常にいとおしい作品です。
2022年02月15日
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