2022年02月19日

プロミス 氷上の女神たち

 典型的なスポコン映画に南北問題を絡めた韓国ならではの映画。べただけど前半は笑わせ、中盤は熱く、終盤は泣かせて観客をはまらせる展開はさすがでした。

 作品情報 2016年韓国映画 監督:キム・ジョンヒョン 出演:スエ、オ・ダルス、オ・ヨンソ  上映時間:126分 評価★★★★(五段階) 観賞場所:アマゾンプライム  



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 【ストーリー】
 2003年、韓国では冬季五輪誘致の宣伝のために女子アイスホッケー代表チームを結成することになる。監督は男子の元代表だが今はアル中のトラブルメイカー、デウン(オ・ダルス)が就任したが、それまで女子アイスホッケーチームがなかったため選手がいない。

 ようやくかき集めた選手たちだが、経験者は元北朝鮮代表で脱北者のジウォン(スエ)だけ。あとは、ショートトラックで仲間を突き飛ばして追放になったチェギョン(オ・ヨンソ)、元フィギュアスケート選手で国会代表になれば婚活に有利と考えたガヨン(キム・イェウォン)、アイスホッケー協会の事務員で残業代目当てで参加したミラン(キム・スルギ)などやるきのない素人ばかり。果たして、アイスホッケー女子韓国代表は誕生できるのか。 
 
 【感想】
 前半のスポコン部分はいかにも定番。やる気のない監督に、バラバラでチームワークもゼロの選手たち。最初の試合では小学生に惨敗するありさま。しかし、それぞれがあるきっかけからアイスホッケーに真剣に向き合うことになり、デウンが名監督に変身し効果的なトレーニングを実施。さらに天才中学生ソヒョン(キム・ジヒ)がキーパーになったことで、チームとしての形になっていきます。

 泥臭い練習ぶりは笑えますし、韓国でも脱北者は差別を受け、一番アイスホッケーのうまいジウォンが浮いてしまうなどのトラブルも合宿や猛訓練で解消されるというのは分かりやすし、テンポもよい。ただ、いくら女子アイスホッケーがマイナーだとはいえ、半年前に小学生に負けたチームが国際大会に出場するというのは、いくらなんでもありえませんが、そこに目をつぶれば、スポコンの定番です。

 そして、中盤は青森県で開かれたアジア大会での試合になります。アイスホッケーはマスクをかぶるから吹き替えしやすいのかもしれませんが、カメラワークが本格的でとにかく迫力ある試合がスピーディーに展開されます。女子とはいえガチンコで体をぶつけあって、あざどころか顔面から流血もでるほど。スエはじめとする出演者たちの気迫の演技は見事です。

 中国戦や日本戦は相手が悪者になるというのも韓国映画らしい。日本戦では審判が日本有利な判定を次々にしてピンチに陥るのですが、いや、サッカーワールドカップで審判を抱きこんだのは韓国だろと突っ込みつつ、ついつい、ジウォンたちを応援してしまうのが我ながら不思議です。

 そして、終盤はジウォンの脱北問題に焦点があたります。ジウォンは妹のジヘ(パク・ソダム)を韓国に残したまま脱北してしまい、彼女の行方が気になります。北朝鮮チームの元友人(ハ・ジウン)に接触しますが、裏切り者と相手にされない。ここらあたりから、韓国映画お得意の怒涛の感動劇がはじまります。実際に脱北で家族が引き裂かれることはあるわけで、いくら映画といっても単純なハッピーエンドにできない。このあたりのさじ加減がじつにうまかった。

 スエをはじめキャストたちはアイスホッケーシーンも含めて、キャラが立って見事な演技。
そして、名バイプレイヤーのオ・ダルスはコメディ部分を中心にさすがの実力です。また、北朝鮮に残されたジヘ役のパク・ソダムはうまいなと思ったら、パラサイトでこの後大ブレイクするのですよね。余談ですが、日本のテレビ局のアナウンサーの日本語が本物のアナウンサーぽかったのですが、キャストをみると韓国の俳優で、へーと思いました。

posted by 映画好きパパ at 07:23 | Comment(0) | 2022年に見た映画 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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