作品情報 2020年アメリカ映画 監督:ユヴァル・アドラー 出演:ノオミ・ラパス、ジョエル・キナマン、クリス・メッシーナ 上映時間:84分 評価★★★(五段階) 観賞場所:シネマジャック&ベティ 2022年劇場鑑賞23本
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【ストーリー】
1950年代のアメリカ郊外の街。平凡な主夫のマヤ(ノオミ・ラパス)は夫で医師のルイス(クリス・メッシーナ)、幼い息子のパトリック(ジャクソン・ディーン・ビンセント)と幸せな暮らしをしていた。だが、マヤには家族にも言えない秘密があった。ルーマニアのロマだったマヤは第2次大戦中にナチスの収容所に入れられ、脱走したがナチス兵に見つかって強姦され、妹を殺されたのだ。
ある日、街で見かけた男(ジョエル・キナマン)を見て、マヤは驚愕する。当時のナチス兵のリーダーにそっくりだったのだ。マヤは男を誘拐して家の地下に閉じ込め、過去を白状するよう拷問するが、トーマスと名乗る男は自分はドイツと関係ないと言い張る。不審なマヤの行動に気が付いたルイスを巻き込み、マヤの暴走は加速していくのだが…
【感想】
ルーマニアの犠牲者とナチス兵が戦後10年以上たってアメリカの郊外の街でばったりというのはすごい偶然。しかも、襲われた時のショックでマヤの記憶は飛び飛び、トーマスがその時のナチス兵なのかどうか、ルイスも観客も確証をつかめないながら暴走は続きます。
悪魔の証明でないですが、今だったらトーマスがいう経歴はネットなどで簡単に調べられます。しかし、当時は彼の言うことが助かりたいためのでまかせなのか、それとも本当なのかは分からず、ルイスを困惑させます。本当だったら妻の復讐は理解できますが、冤罪だったら単なるサイコな誘拐犯になってしまうわけですから。
トーマスには妻のレイチェル(エイミー・サイメッツ)と幼い娘がおり、行方不明になった彼を探すという名目で、マヤはレイチェルたちに近づいていきます。このあたりもなかなかサイコがかって、どういうふうに転ぶかドキドキしました。
ただ、ラストがこんなものかという感じで、もっと突き抜けるか逆にもやもやさせればいいのに、せっかくのプロットがもったいなかった。まあ、日本人の僕とアメリカ映画陣の感覚に違いがあるなと、こんなときいつも思ってしまいます。
ノオミは疲れ果てて、どんどん狂気になっていく女性を好演していました。ルーマニアでのシーンも拷問シーンも含めて、戦争や復讐はどんどん人間を追い詰めていくというのは、本当に哀しくなります。
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