作品情報 2020年イギリス映画 監督:チャールズ・マーティン・スミス 出演:ルーク・トレッダウェイ、クリスティーナ・トンテリ=ヤング、ファルダット・シャーマ 上映時間:92分 評価★★★★(五段階) 観賞場所:109シネマズ川崎 2022年劇場鑑賞37本
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【ストーリー】
ホームレスで薬物中毒だったジェームズ(ルーク・トレッダウェイ)は家に迷い込んだ野良猫ボブをかわいがるうちに、彼を肩に乗せながら「ビッグイシュー」を販売することで有名になり、自伝もベストセラーになった。
クリスマスの日、警官に不当逮捕されようとしているホームレスの若者ベン(ステファン・レース)を助ける。人生不運続きで自暴自棄になっているベンに、ジェームズは数年前、彼とボブに降りかかった災難について語り始める。
【感想】
ボブとジェームズ以外は主要キャラは全員交代しているので、2人の絆さえ理解すれば難しい話ではありません。世界一有名な猫といわれたボブがとにかく芸達者。ルーク・トレッダウェイとは本物の飼い主のように息がぴったりで、まさに2人でいればなんでも乗り越えられるといった感じです。
今回、ボブたちを助けてくれるのは福祉団体の女性職員ビー(クリスティーナ・トンテリ=ヤング)。2人の面倒をみるうちに、徐々にジェームズと親しくなっていき、2人とも恋に不慣れなだけに見ていて微笑ましい。また、近所の雑貨店主のムーディー(ファルダット・シャーマ)も、ボブの餌用におまけをくれたり何かと気にかけてくれます。ジェームズとボブの2人の暖かい絆をみて、周囲にも幸せの話が広まるという作りは、クリスマスのお話らしくてほっこりします。
一方、悪役とまではいかないけれど、今回、ジェームズとボブの前に立ちふさがるのは動物管理局。ホームレスなら猫を虐待するのではという偏見があり、動物の幸せという建前の一方、杓子定規な仕事ぶりも描かれます。職員も穏健な女性のジャービス(アレサ・アイエ)と陰険なレオン(ティム・プレスター)のコンビ。ジェームズとボブのことをしっている観客からすれば応援したくなるけど、確かにホームレスに飼われて猫が幸せかという問題も確かにあります。動物虐待についてはイギリスのほうが先進的なんだなと妙に感心しました。
感心したといえば、ビーはアジア系、ムーディーはインド系、ジャービスは黒人と人種がみごとに分かれていて、ポリコレなのかなと思ってしまいました。路上ミュージシャンであるジェームズがボブの前でうたうジングルベルは、邦訳でニャングルベルとなっていて、これまた微笑ましいところが本作らしい。2人の絆や周囲の暖かい心遣いに、寒い冬でも心がぽかぽかする作品でした。
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