2022年05月03日

手紙と線路と小さな奇跡

 最初はとぼけたラブコメだなとぼーっと観ていたら中盤で思いがけない登場人物の秘密が明らかになり、さらに終盤はこれでもかというばかり泣かせに走りました。さすがに終盤はいきすぎた気もしますが、劇場のあちこちからすすり泣きが。

 作品情報 2021年韓国映画 監督:イ・ジャンフン 出演:パク・ジョンミン、イ・ソンミン、イム・ユナ  上映時間:117分 評価★★★★(五段階) 観賞場所:シネマート新宿  2022年劇場鑑賞90本



 【ストーリー】
 1980年代、韓国の僻地の村に姉のボヨン(イ・スギョン)と2人で住む高校生のジュンギョン(パク・ジョンミン)。村には外部から道路がなく、村人は線路をたどって最寄り駅まで行き来していたが、鉄橋やトンネルがあって列車にはねられる事故も起きるなど危険な道筋だった。

 通学に往復5時間かかり、駅のそばに住む列車運転士の父テユン(イ・ソンミン)とも離れ離れで暮らすジュンギョンは、村に駅を作ってほしいと大統領に手紙を何十通も書いているが梨のつぶてだった。クラスメイトのラヒ(イム・ユナ)は、テユンが数学の天才だったことから、全国数学コンクールで1位の大統領賞をとって、大統領に直訴すればいいとアドバイスするのだが…

 【感想】
 韓国に私設の駅ができたという実話をもとにした青春映画。天才だけど天然のジュンギョンに、お嬢様のラヒが興味をもって、ツンデレよろしくジュンギョンを振り回すことになります。このあたりはのんびりしたラブコメで、まあ可もなし不可もなしといったところ。

 父がいない分、田舎の古い家で暮らす姉との生活は濃密で、ボヨンは母親代わりでもあり、ジョンギュンの恋にアドバイスをするお姉さんでもあるという絶妙の家族関係がいいです。ただ、なぜ父親と離れて暮らしているのかとか、ジュンギョンが妙にコンプレックスをもっているのかとか、小さい?が続くうちに中盤から意表を付いた展開が続きます。

 家族愛と初恋の2本柱で描こうとしていますが、おしむらくは終盤はストーリー上、一方に偏ってしまいバランスが悪くなっていること。そして終盤の無理な泣かせも、詰め込みすぎて散漫になってしまい個人的には合いませんでした。中盤の衝撃のまま、淡々と物語を進めてくれれば良かったのにと、もったいない感じです。

 ヒロインは元少女時代のイム・ユナなんですが、高校の制服を着たらキュートで役柄も良かったのに、後半に印象が薄くなる点が残念。高校でのラブコメは本当に良かったのですけどね。全般的にはむしろイ・スギョンのほうが、役柄といい演じ方といい好印象をうけました。
posted by 映画好きパパ at 06:40 | Comment(0) | 2022年に見た映画 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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