作品情報 2022年日本映画 監督:樋口真嗣 出演:斎藤工、長澤まさみ、西島秀俊 上映時間:112分 評価★★★★(五段階) 観賞場所:イオンシネマみなとみらい 2022年劇場鑑賞114本
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【ストーリー】
謎の巨大生物“禍威獣(カイジュウ)”が出現する近未来の日本。政府はカイジュウ対策の専門家チーム「禍威獣特設対策室専従班」(カトクタイ)を立ち上げ班長の田村(西島秀俊)以下4人の隊員が自衛隊と共にカイジュウ退治にあたっていた。
しかし、電気を食べるネロンガの出現に歯が立たない。そこを宇宙から光の巨大星人がやってきてネロンガに勝利する。ウルトラマンと名付けられた巨大星人だが、地球着陸時に大きな衝撃波が発生し、カトクタイ班員の神永(斎藤工)が子どもを守ろうとして死んでしまう。ウルトラマンは神永の心と合体し、普段は彼の体を借りて地球で活動することになる。カトクタイに新たに赴任した分析官浅見(長澤まさみ)は彼の相棒になるのだが…
【感想】
さすがにオリジナルの放映時には産まれてませんでしたが、再放送は何回も見ているので子どものころは明るく勇壮なテーマ曲ともども大ファンでした。本作もカイジュウとの対決はテンポが良いし、ミニチュアで建物を破壊て人間を圧倒するカイジュウをウルトラマンがやっつけていく姿は痛快そのもの。アクション活劇として楽しめました。
また、自衛隊や公安調査庁など現実の組織からカトクタイの班員は派遣された設定にして、近未来の日本で起こりうる感じにしているのもアイデアです。「シン・ゴジラ」に続いて自衛隊の全面協力で映像も迫力あるものに仕上がっています。また、実際にカイジュウがでたときの慌てぶり、メフィラス星人(山本耕史)をはじめとする宇宙人同士の協定や地球侵略の狙いなど、大人も楽しめる設定になっています。
ただ、その分、総理大臣(嶋田久作)や大物議員(竹野内豊)らのシーンに意味もなく時間をかけています。益岡徹、利重剛といった政治家役のベテラン俳優がセリフもなくモブでうつっているのはもったいない。日本政府のごたごたや周辺諸国の思惑といったところを、この短時間の作品にいれるは、やはりアニメ・特撮関係者は権威に弱いからなんでしょうかね。オリジナルのジャミラやウルトラセブンが反権力の立場を感じさせる名作が多かったのに比べると、権力万歳と言う感じも受けちゃいました。
また、セクハラとまではいかないけれど、長澤まさみの巨大タイトスカート姿も、このご時世には微妙。かつて樋口監督は「パシフィックリム」を見て、女をローアングルで撮るべきといったそうですが、そんな性癖がもろにでちゃった気がしました。このへんもスタッフが割と高齢(庵野氏は還暦、樋口氏も50代後半)ということもあり良くも悪くも昭和の発想なのかもしれません。
俳優陣は完璧。特にメフィラス役の山本はおいしかったのでは。怪獣は人気のバルタン星人やレッドキング、ピグモンはでてこなかったけど、やはりアクションをきちんとみせてくれたのはうれしい。また夜のザラブ星人の暗躍をはじめ、ちょっと不気味なジュナイブルの感覚が残してあったのもグッド。音楽は今風の米津玄師のテーマ曲に加えて、オリジナルのテーマもエンディングで流してほしかったかな。
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