二つの光

　視覚障碍者の恋を描いた韓国の短編映画。ホ・ジノ作品らしく暖かく緩やかですが、劇中に視力を回復させるゴーグルが登場。テクノロジー進化に驚きました。

　作品情報　2017年韓国映画　監督：ホ・ジノ　出演：パク・ヒョンシク、ハン・ジミン　 上映時間：30分　評価★★★（五段階）　観賞場所：ヒューマントラストシネマ有楽町　 2022年劇場鑑賞122本



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　【ストーリー】
　徐々に視力を失い、ほとんど見えなくなっているピアノ調律師のインス（パク・ヒョンシク）は視覚障碍者のための写真撮影サークルに参加する。そこでアロマセラピストのスヨン（ハン・ジミン）と出会う。何事にも悲観的なインスと、明るく積極的なスヨンは正反対の正確だが、徐々に惹かれ合っていき

　【感想】
　３０分という短い時間のため、淡々と２人の日常が映し出されていきます。恋愛映画の名手、ホ・ジノ作品ですが、２人が視覚障害であるということをのぞけば、悪人も恋のライバルも難病もでてこず、日常の積み重ねで２人の距離が縮んでいくところは微笑ましい。　

　劇中にはサムスンが開発した私学障害者支援用のVR機器が登場。正直、SFの世界だと思っていたら、現実の機器だそうでびっくりしました。これが普及すれば視力回復に非常に役立つのですが、５年前の映画にかかわらずなかなか普及していないのは金額的な問題とかあるのでしょうか。いずれにしろ技術の進化はすごいし、単なる視覚障碍者のお涙頂戴に終わらないのは良かった。

　とはいっても３０分の短編ではやはり短い。美男美女の人気俳優が主演なだけに、せめて中編ぐらいにしてもう少し深みのある話にしてほしかったかな。心がじんわり温まるハートフルなストーリーですし、３０分の上映時間なので集中してみられる利点はありますが。しんみりした韓国恋愛映画が好きな方にお勧め。