2022年06月09日

帰らない日曜日

 イギリスの文芸映画。想像していた古典的なラブストーリーと違っていたのだけど、テンポがスローで、構成も何を言いたいのかがわかりにくい。主役カップルの脱ぎっぷりには感心しましたが。

 作品情報 2021年イギリス映画 監督:エヴァ・ユッソン 出演:オデッサ・ヤング、ジョシュ・オコナー、コリン・ファース  上映時間:104分 評価★★★(五段階) 観賞場所:ヒューマントラストシネマ有楽町  2022年劇場鑑賞132本



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 【ストーリー】
 1924年のイギリスの田園地帯。メイドのジェーン(オデッサ・ヤング、ジョシュ・オコナー)は、資産家の主人のニヴン夫婦(コリン・ファース、オリヴィア・コールマン)に可愛がってもらっていた。近隣の豊かな家の後継ぎポール(ジョシュ・オコナー)と身分を超えた恋に落ちていたジェーン。だが、ポールは幼馴染のエマ(エマ・ダーシー)と婚約していた。

3月末のメイドが年に1度だけ里帰りを許される特別な日曜日“マザリング・サンデー(母の日)が来たが、捨て子だったジェーンは帰るところがない。二ヴン夫妻とポール、エマの一家はピクニックにでかける。だが、ポールはピクニックの前にこっそり会おうとジェーンを誘い、2人はポールの家で熱い時間を過ごすのだったが…

 【感想】
 時間軸がいくつかわかれておりメイドをやめて小説家になった近未来、そして、大成功を収めたはるかな未来(1980年ごろ?)もでてくるので、単に、1924年の日曜日だけの出来事を描いただけだと思っていたのでちょっとびっくり。時代的に黒人と仲良くなるのは疑問を抱きましたし、とにかく時系列がいろいろあるので集中しにくかった。

 ただでさえイギリスは階級社会の上、100年前となると相当なものだったのでしょう。一方で、第一次大戦で多くの若者が戦死し、生き残ったポールはひけめと厭世観をかかえています。エマとの婚約も乗り気ではありません。そんな彼の心にスポッとジェーンが入ったのかもしれないし、単に愛人としてみていたかもしれないし、そのへんの描写がまったくないのでよくわかりませんでした。文芸映画らしく、観客で解釈しろということなんでしょうか。これに限らず、心理描写が少ないのでだんだん飽きてきます。暗く没落する上流とエネルギッシュな下流という描き方も、100年経ってもイギリスの格差社会が堅牢な現実からするとステレオタイプ。

 孤児院育ちのジェーンにとって金持ちのポールに夢中になるのはわかります。予告編にあるようにポールの家を素っ裸で歩き回るのは愛情ゆえかもしれないけど、ストーカーみたい。ただ、あまりにも堂々としていたのでかえって興味深い絵面になっていました。ポールもなぜかシャツはきているのに下半身がスッポンポンの笑える恰好だし、これはイギリス映画らしいブラックユーモアなのかな?

 コリン・ファース、オリヴィア・コールマンという大俳優を脇にまわしたうえ、わずかな出番しかない晩年のジェーン役になんとアカデミー主演女優賞2回受賞し、その後政治家に転身したグレンダ・ジャクソンが20年ぶりにスクリーンに登場。豪華な使い方にも驚きました。
posted by 映画好きパパ at 06:01 | Comment(0) | 2022年に見た映画 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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