2022年06月17日

ニューオーダー

 「息子の面影」に続いて、ド鬱のメキシコ映画。ベネチアの銀獅子賞をとっており、コロナもあって社会格差はどんどん広がり、こういう事件も実際に起きそうなところが怖かった。

  作品情報 2020年メキシコ、フランス映画 監督:ミシェル・フランコ 出演:ナイアン・ゴンサレス・ノルビンド、ディエゴ・ボネータ、モニカ・デル・カルメン 上映時間:86分 評価★★★★(五段階) 観賞場所:シネマ・ジャック&ベティ  2022年劇場鑑賞140本



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 【ストーリー】
 貧富の格差が増大するメキシコ。金持ちの娘マリアン(ナイアン・ゴンサレス・ノルビンド)は自宅の豪邸でウェディングパーティーの真っ最中。人生で一番幸せな一日になるはずだった。だが、かつての使用人が重病で治療費に困っていると聞き、パーティーを一時抜け出して、治療費を渡しに行く。

 ところが、その間に貧困層による大暴動が起こった。暴徒はパーティー会場に乱入し、マリアンの家族や招待客を惨殺していく。一方、マリアンも暴動に巻き込まれてしまう。治安回復のために軍が介入するが、それは地獄の始まりでしかなかった…

 【感想】
 コロナ禍をへて、かつてないほど貧富の格差が増大しています。ここ数年、治安の悪い新興国はもちろん、アメリカ、フランスといった先進国でも貧困層の暴動が発生しており、映画のようなディストピアがいつ起こっても不思議ではありません。そして、戦争同様、暴動で国が大混乱に陥ったら善人、悪人関係なく、力がないもの、不運がないものは命を失っていくのです。

 この映画をみて思ったのは日本は諸外国に比べて格差は小さいし、治安も維持されているから良かったということでした。特に軍人(自衛隊)の質の高さは世界でもトップクラス。新興国のように、軍人や警官だって腐りきっているところとは違っているので助かります。でも、自分が海外旅行先でこういったトラブルに巻き込まれたら一発でアウトでしょうね。

 マリアンは善良で幸せな若い女性。ハリウッド映画だったらスーパーヒーローが助けにくるでしょうけど、世の中そんなに甘くありません。彼女に次から次へと降りかかる過酷な試練は目を覆いたくなるほど。80分ちょっとの上映時間なのに、ひたすら早く終わってほしいと願っていました。文字通り体当たりの演技に驚かされます。とにかく衝撃的な作品で、現代社会を映し出した名作ですが、もう一度見る気は起きないなあ。

 それにしてもメキシコというと陽気なラテンの国という印象があるけど、シリアスな作品が多いですね。それだけ、格差、犯罪というのが広がっている裏付けなんでしょう。ニューオーダーは、秩序、命令、体制いろんな意味を含んでいると思いますけど、根本の格差、犯罪を解決しなければどうしようもありません。ディストピアにならないためにどうしたらよいのか、観客に突きつけています。
posted by 映画好きパパ at 06:00 | Comment(0) | 2022年に見た映画 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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