2022年06月27日

君たちはまだ長いトンネルの中

 年間300本近い映画を観ていますが、今年一番の珍品といえるでしょう。何しろ積極財政派の女子高生が、教師や政治家を論破するという謎の経済青春映画ですから。ただ、若い世代の投票率が低い現在、この作品はそれこそ高校で必修にするくらい鑑賞してもらい、積極財政の是非を含めて考えてもらいたい。あと政治家やマスコミにもみてほしい。
 
 作品情報 2022年日本映画 監督:なるせゆうせい 出演:加藤小夏、萩野崇、モト冬樹 上映時間:87分 評価★★★★(五段階) 観賞場所:ヒューマックス池袋  2022年劇場鑑賞153本



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 【ストーリー】
 女子高生の高橋アサミ(加藤小夏)は財務官僚だった父陽一郎(川本成)が積極財政を受け入れられず辞職。失意のうちに死んだことから、政治経済を必死に勉強した。政経の授業で教師(あまりかなり)を論破し、学校に目を付けられる。

 一方、世話になっている蕎麦屋夫婦(モト冬樹、かとうかずこ)ら苦境に陥っている商店街を助けようと、イベントを企画するアサミ。新聞社に記事の売り込みにいったところで、元特撮ヒーロー俳優の武藤衆院議員(蒼木陣)に出会った彼女は武藤に論戦を挑み、総理に併せるよう要求する。

 【感想】 
 なんか、教育テレビのような低予算でチープな作りですが、美人女子高生主演なのに恋愛とかほとんどありません。政治経済の議論が大半をしめており、アサミだけでなく周りの友人も感化されて積極財政派になるというもの。孤高のヒロインが正義のために戦い、仲間がどんどん増えていくのはエンタメの王道ですが、それを積極財政、消費税引き下げでやってしまうというのはすごい。また、明るく元気な女子高生が、偉そうな教師や議員をへこませるという構図も痛快です。

 加藤さんは本田翼を若くした感じで、元気はつらつなのが気持ちがいいし、長セリフも難なくこなしています。彼女以外では悪役の財務省出身の大物議員を演じた萩野崇が、声が渋くて対決がいい塩梅。エンタメとして素直に楽しめます。

 ただ、藤井聡京大教授が監修なのですが、例えばアベノミクスで景気はよくならず、株高は投資家や大企業がもうかっただけとか、首をひねる発言も多い。また、デフレ脱却を訴えてますが、いざインフレが到達して日本中が大騒ぎしている時期に公開日があたるというのも、皮肉を感じました。れいわ新選組っぽい内容ですが、チャンネル桜が協力のクレジットにあったから自民党の最右派が応援しているのかな。

 ただ、発言の内容はいざしらず、主権者たる国民が勉強して政治に向き合わないと日本は悪くなるのは事実です。参院選が公示されますが、投票率が低い若い世代にみてもらいたいし、そのためには全国の高校の授業で取り上げればいいのにと思いました。あと財務省に洗脳(笑)されている政治家、マスコミの方々にも見てもらいたいものです。
posted by 映画好きパパ at 06:09 | Comment(0) | 2022年に見た映画 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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