作品情報 2021年中国映画 監督:シャー・モー 出演:チュー・チューシャオ、チャン・ジンイー、スン・ニン 上映時間:105分 評価★★★★(五段階) 観賞場所:シネマート新宿 2022年劇場鑑賞194本
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【ストーリー】
南京の高校に田舎から進学したリュー・チンヤン(チュー・チューシャオ)は勉強しないでいたずらばかりしている問題児だったが、優等生のクラスメイト、リン・イーヤオ(チャン・ジンイー)に一目ぼれ。
貧しく成績の悪いリューは卒業後は土木工事で働き、リンは名門大学に進む。2人の交際に、リンの周囲は反対したが2人の深い愛情はそんな困難を跳ねのけ、同棲を始めた。だが、2人のまえに経済的な難問がたちはだかってきて…
【感想】
序盤、中盤、終盤でこれほどまでにテイストが違うのに驚きました。それぞれは、ある種映画の定番ストーリーなのですが、それを無理なく繋ぎ合わせたシャー・モー監督の手腕は御見事です。序盤は胸がキュンキュンしつつ、にやにや微笑ましく見て、中盤の中国の拝金主義に怒りを覚え、終盤は映画館ですすり泣く人が何人もおりました。制作者の掌のうえに乗った感じ。
序盤の高校からのラブコメは中国ならでは。ラブレターが先生に見つかっだけで不純異性行為と罰せられ、それにも負けず構内放送をのっとって愛の告白なんて、まさに青春ラブコメの王道まっしぐら。それが社会に出て、単に愛し合うだけで生活できないという厳しさが2人の心を削っていきます。
咬ませ犬的なライバルが、イーヤオの幼馴染でオーストラリアで大成功した起業家というのは現代中国らしい。いや、そんな資本主義の権化みたいな人が格好良くみえるというのは、拝金主義の中国ならでは。まあ、家族としてはポッと出の土木作業員より、子どものころからしっている大金持ちのほうを応援したくなるのはむべなるかな。それでも、傷つき合っても2人の純愛が続くというのは、これまた古典的。
そして、終盤。大自然のSFXは今一つですが、それを逆手にとったような展開はうまい。チャン・ジンイーは映画デビューだそうですけど、清楚で純愛を貫く意思の強さを見事に表現して、チャン・ツィイーの若いころみたいで将来が楽しみ。エンディングのバラードをはじめBGMもはまっていましたが、2人の愛が高鳴るシーンで、往年のアメリカの名曲「The end of the wolrd」が英語でかかったのにも驚いた。中国映画で英語の名曲をこういうふうに使うのって初めてかも。
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