2022年08月12日

きっと地上には満天の星

 ニューヨークの地下に住むホームレスの母子の哀しい運命を描いた社会派ドラマ。アメリカは日本よりも人口比ではるかにホームレスは多く、競争社会の厳しい現実が伝わってきます。

 作品情報 2020年アメリカ映画 監督:セリーヌ・ヘルド、ローガン・ジョージ 出演:ザイラ・ファーマー、セリーヌ・ヘルド、ファットリップ 上映時間:90分 評価★★★★(五段階) 観賞場所:ヒューマントラストシネマ渋谷  2022年劇場鑑賞204本 



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 【ストーリー】
 ニューヨークの地下には迷路のように張り巡らされたトンネルがあり、ホームレスたちが住み着いていた。母のニッキー(セリーヌ・ヘルド)と暮らす5歳の少女リトル(ザイラ・ファーマー)は、ずっと地下で育っており、地上にでるには羽が必要だと信じていた。

 ところが、市の職員たちが地下に不法に住み着いているホームレスを排除しにやってきた。麻薬中毒のニッキーは、職員に捕まったらリトルと引き離されてしまうため、急いで地上に逃げる。リトルは地上の人の多さや、自動車、ビルなど初めての経験に恐怖するのだが…

 【感想】
 「ここには5歳の子供はいない、5歳の大人ならいる」という印象的なフレーズで始まる物語。ニューヨークのホームレスを描いたノンフィクションが原案であり、実際に子どももホームレスに混じって生活していたということなのでしょう。ホームレスのコミュニティでは麻薬も売買されており、日本よりもはるかにしんどい生活となっています。

 ただ、監督自身が演じているニッキーが、薬物中毒の売春婦というあまり同情できない立場。アメリカの福祉制度がどうなっているかわからないけど、リトルにとっても地下で育って常識がないのは困るわけだし、一時的に親子の中は引き裂かれるにしても、更生したほうがそれぞれのため。結局、ニッキーの自業自得に見え、あまり同情できませんでした。

 社会に見捨てられたという気持ちが強いから、福祉を頼れないということはあるでしょう。でも、本当に子どものためになることはどういうことなのか。ニッキーも恐らく、自分で自分がやっていることの愚かさを感じているだけに、薬物や酒などでやけになってごまかそうとする弱さがなんともリアル。こういう弱い人間がホームレスになってしまうのかと思わされます。

 日本では豊かなアメリカ万歳という人が多いけれど、こういう負の部分も分かるというのは映画の良さだと思います。また、リトル役のザイラ・ファーマーの演技はすさまじく、初めて地上に出たときの恐怖の引きつり具合など、子役でここまでできるのはただただ感心しちゃいました。ストーリー的にはニッキーにいらいらさせられることが多かったけど、それを帳消しにして映画の質を高めているのは彼女の演技だといえます。
posted by 映画好きパパ at 06:00 | Comment(0) | 2022年に見た映画 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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