2022年08月14日

希望と絶望 その涙を誰も知らない

 坂道系のアイドルはまったく興味がなかったのですが「恋は光」の西野七瀬の活躍をみたのと、ネットの映画評でコロナ時代にアイドルのあり方が変わるという記事が気になったので視聴することに。アイドルという視点でコロナ禍を切り取った秀作ドキュメンタリーでした。

 作品情報 2022年日本映画ドキュメンタリー 監督:竹中優介 出演:日向坂46 上映時間:120分 評価★★★★(五段階) 観賞場所:ヒューマントラストシネマ渋谷  2022年劇場鑑賞206本



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 【ストーリー】
 人気アイドルグループ日向坂46は結成以来の夢だった東京ドームでのコンサートを2020年に開催することになっていた。しかし、コロナ禍でドームでのコンサートどころか、観客が入ったコンサートもできなくなった。リモートでの活動はするものの、心身の不調を訴えるメンバーが続出する。何度もセンターを務めてきた小坂菜緒も休養を余儀なくされた。

 行動制限の緩和とともに有観客のライブが始まる。しかし、メンバーの一体感はなかなかうまれない。2022年3月、ようやくドームでのコンサートが再開されることになったが…  

 【感想】
 坂道系のドキュメンタリーはこれまで1本も見たことがありません。日向坂もグループ名すらおぼつかなく、メンバーの中では小坂をこれまで「ヒノマルソウル」で、影山優佳を「かぐや様は告らせたい」で見た程度。それも日向坂と結びつけていませんでした。

 しかし、コロナ禍が彼女たちにどれほど過酷な試練を与えたのかはよくわかります。竹中監督はTBSの人だけど、デビュー以来の密着取材をしているだけあって、メンバーもわりと本音に見えるような弱気や運営への不満を含めて、素顔を見せてくれます。ライブで観客との交流がアイドルにパワーを与えてくれたのに、リモートだと頭で理解しても心では乗り切れない、そんなもどかしさがアイドルに関心がない僕にもストレートに伝わってきました。

 さらに、運営側からすれば当然ですが、彼女たちがどんなに努力してもそれが観客を満足させるパフォーマンスでなければいけないわけです。心身を追い詰められる中でのトレーニングは、アイドルが少女たちをどれほど過酷な状況に追い込むのか、思わず彼女たちを応援したくなりました。しかし、俯瞰的に見ても、これだけトレーニングして、最高のパフォーマンスをみせるアイドルですが、AKBや坂道系でも卒業後に芸能界で生き残れるのはほんのわずか。彼女たちのパフォーマンスが客に夢を与えてくれるとともに、生き方は現実の厳しさも教えてくれます。

 映画の終盤、苦労を乗り越えてドームへ向かう彼女たちをみると、製作側がどれくらい計算したかわかりませんが、まさに、ドラマティックそのものです。同時にコロナ禍とはなんだったのかを想起させるドキュメンタリーとしては「東京2020オリンピック」よりも伝わってきました。アイドルファンでなくても、十分、満足な出来栄えだと思います。ちなみに見終わったあと、初めて日向坂のCDを買っちゃいました。
posted by 映画好きパパ at 06:04 | Comment(0) | 2022年に見た映画 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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