ブログ村のランキングです。よかったらポチッと押してください
にほんブログ村
まず、のんさんが超絶美人のうえ頭の回転も早くて驚きました。これまでの役柄では田舎の素朴な可愛い天然女子か根暗な文科系女子といった印象だったので、実物がこんなに凄い人だというのはびっくり。また、濱口監督がパワポでてきぱきとプレゼンを行い、IT業界のビジネスパーソンみたいにみえたのも新鮮な感じです。諏訪監督のいかにも文化人という雰囲気と異なるのは、世代が異なるからなんでしょうかね。
それはさておき、第1部の基金の報告では3億3100万円が集まったとのこと。当初は1億円でも高い目標だといわれていたので運営側も驚いたそうです。なぜミニシアターなのか。濱口監督の資料によると、2019年日本全国で上映された映画1292本のうち、ミニシアターでしか上映されていない作品が4割あり、ミニシアターがなくなると映画の多様性がなくなるということ。僕も年間300本近い映画をみていますが、それでも全体の4分の1にしかならないというのはびっくりしました。
第2部ではのんさんと濱口、深田監督のトーク。のんさんは「『この世界の片隅に』でミニシアターにお世話になった。ミニシアターでしか上映しない映画が無くなってはダメだと思った」と基金に協力。自らも多額の募金をしています。のんさんはコロナ禍で映画が不要不急だといわれたことにショックを受けたそう。これは2人の監督も一緒で、「不急」でないにしても「必要」だということで意見を一致していました。映画ファン、特に僕のような映画が自分の人生の支えになっているような人間からすると、映画は絶対に必要なもの。のんさんたちのような業界人でなくてもその思いがある人はいるのです。第3部で諏訪さんが紹介していましたが、あるミニシアターでは不登校の子どもがくれば学校と協力して出席扱いになるようしているそう。映画が勉強の場でもあり、芸術と触れ合う貴重な場でもあり、同時に子どもの居場所になるというのもすごいことです。
一方で、第3部の映画業界の問題点と改革提案のコーナーで深田監督が言っていましたが、日本人が年間に映画館でみる映画の本数は1・3本。これはフランスだと4本以上、若者だと6本も7本もみているそうです。こういう状況が日本で映画がマイナーだという表れかもしれません。
それはさておき、2人の監督はのんさんの初長編作品「Ribbon」を激賞。特にコロナとまっすぐに取組んだことは「時代を切り取った作品」(深田監督)と評価していました。コロナに取組むと役者にマスクをしなければなりません。それをプロデューサーなどが気にする場合もある。でも「Ribbon」の場合、のんさんが主演なので、その問題はクリアできるわけです。日本に限らずコロナに真正面から取組んだ作品が少ないのが、そんな理由とはちょっと寂しい。「Ribbon」はコロナで仕事が無くなり、落ち込む気持ちがリアルに現れており、芸能界なんかまさにそうだったわけです。今になって思うと早期退職して無職だった自分もそうだったなあ。改めて見てみたい作品だと思いました。
第3部ではのんさんは退場され、代わに諏訪監督、女優の渡辺真紀子さん、 岨手由貴子監督らも加わり、日本版CNC(フランスの国立映画映像センター)設立を求める運動の説明がありました。深田監督によると映画は(1)制作会社の資金や銀行融資(2)国や自治体の公的資金(3)民間の寄付、援助が主な資金源です。このうち公的資金はフランスや韓国に比べて圧倒的に少なく、民間の寄付、援助は英米より圧倒的に少ない。結果として日本映画は資金不足になっています。その結果、売れる映画は東宝を筆頭にした大会社だけで占められ、わかりにく文化的なインディーズを作るのは大変。ブラック労働やハラスメントの温床にもなっているとのこと。
ここでも驚いたのが岨手由貴子が妊娠を周囲に隠していたということ。妊娠が周囲に分かったら仕事が来なくなるというのです。いや、本来文化の最先端であるべき映画製作の世界がこんなに古臭いというのは驚きました。
CNCは興行収入やテレビ収入の一部を資金として、公的資金は投入しません。その資金を基に映画製作だけでなく、現場環境の改善、流通支援、教育支援と映画全体の底上げを図ろうというもの。当然東宝など大手の映画会社が協力しないとできないわけですから、諏訪監督らが勉強会を開いているそう。映画ファンが何ができるかわかりませんが、韓国などではファンも映画を支援する政治的な活動に参加しているそう。はたしてそのムーブメントが日本でも起こるのか、まあ、僕は政治活動は苦手ですけど何か協力できることがあればと思っています。
【日記の最新記事】