作品情報 2021年インド映画 監督:プラブ・ソロモン 出演:ラーナー・ダッグバーティ、シュリヤー・ピルガオーンカル、ゾーヤ・フセイン 上映時間:161分 評価★★★(五段階) 観賞場所:新宿ピカデリー 2022年劇場鑑賞213本
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【ストーリー】
インドのジャングルを開発から守るために先祖代々住み着き、村人から「森の神」と崇められているスミトラナンダン(ラーナー・ダッグバー)。彼は動物と話すことができ、中でも象の群れとは厚い信頼関係を結んでいた。ところが、大企業がジャングルを切り開き、リゾート地を作ろうとする。ジャングルはスミトラナンダンの祖父が、自然保護森として政府に寄付したものだった。大企業は悪徳大臣(アナント・マハデヴァン)や地元の警察を抱きこみ、法律をも無視して開発をはじめたのだ。
象たちの水飲み場への通り道が閉鎖され、このままでは全滅してしまう。さらに、スミトラナンダンとともに抗議した村人たちが、警官隊によって虐殺された。一方、開発を進める大企業は、象使いの能天気な青年シャンカル(シュリヤー・ピルガオーンカル)を使って、ジャングルでの工事を進めていた。だが、シャンカルはゲリラの娘アールヴィ(ゾーヤ・フセイン)に恋をしてしまう。しかも、シャンカルの象が工事で死んだ上、ゲリラの仲間として逮捕されそうになったため、シャンカルはジャングルでゲリラとともに戦うことに。
【感想】
インド映画のストーリーが膨らみすぎたり、余計な脇筋が多いというのはこれまで見てきた作品でもありましたが、本作はまったく意味が分からない設定が多い。たとえば、主役はスミトラナンダンですが、後半は恋の部分も含めて同じくらい登場するシャンカルと、ストーリー上はほぼ絡まないのです。ジャングルの開発を巡ってまったく独立した話が並列しているみたい。無駄に長く感じられました。
さらに、この手の映画では、悪役がひどいことをして我慢に我慢を重ねた主人公サイドの怒りが爆発するというのが定番。ラーナー・ダッグバー主演ということもあり、彼の「バーフバリ」のようなすごいアクションがみられると期待しているわけです。ところが、彼のアクションの部分はあまりないというか、小物相手にはあるのだけど、巨悪相手にはない。いや、予告編からすれば象とともに、悪役を片っ端からやっつけるのだと思うじゃないですか。
また、中盤までは開発を巡って法廷闘争を起こしたり、あるいは開発を村人たちと協力して座り込みで止めようとしたり、ある程度リアルにそった作りなのですが、後半はばんばん人が死んでいきます。それゆえに主人公の怒りが爆発して悪人どもをばったばったとやっつけると思ったのですが…
動物たちはいかにもCGという感じもしますが、象たちとスミトラナンダンやシャンカルの関係というのはほほえましい。虎や小鳥といった他の動物が冒頭しかでてこなかったのは残念ですけど、いかにもインド映画っぽいスケールの大きさはありました。ただ、インド映画といえば思いつく歌って踊るシーンはほとんどありません。また、女性キャラも何人かでてくるけど恋愛要素は薄く、特にスミトラナンダンの恋愛要素がゼロだったというのも、インド映画だとおもって見に来るこちらの想像を裏切りました。
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