2022年08月27日

ハウ

 迷い犬になった声の出ない犬が青森から横浜まで、飼い主のもとへ戻ろうとする物語。ストレートな話にするのを避けたのか変化球を連発。最後までこちらは疑問を抱いたまま終わってしまいました。

 作品情報 2022年日本映画 監督:犬童一心 出演:田中圭、池田エライザ、宮本信子 上映時間:118分 評価★★(五段階) 観賞場所:川崎チネチッタ  2022年劇場鑑賞218本



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 【ストーリー】
 婚約者(深川麻衣)に一方的にふられてどん底に落ち込んだ横浜の市役所職員、民夫(田中圭)。見かねた上司の鍋島(野間口徹)が、妻(渡辺真紀子)が参加している保護犬のボランティアを紹介。そこでハウという声の出ない犬と出会う。前の飼い主に声帯を切り取られて声が出ないため引き取り手のなかった犬を民夫は引き取り、ハウと名付ける。

 家族同然に仲良くなったが、ある日ハウがボールをおっかけてトラックの荷台に紛れ込んでしまい、そのまま青森へ連れてかれる。何とかして民夫のもとに帰りたいハウは、必死で横浜へと向かう。その途中、様々な人との出会いと別れを繰り返して。

 【感想】
 民夫がハウを犬なのにネコ可愛がりして、それでいてリードを離してハウを見失うのだから世話はありません。田中圭がいつもの過剰な演技を犬にみせているのはともかく、同僚職員役のヒロイン桃子(池田エライザ)も、だらっとした感じ。職場での女性のつらさを体現している部分がありましたが、役柄がぴりっとしません。そもそも早々にハウが失踪してしまうため、ヒロインとしての活躍が、ハウとあまり結びつかないのですよね。

 さらに、青森から横浜までの旅の途中で出会う人がもっと謎。ハウは寂しさがわかって、そういう人がいると慰めたくなるという発想なのかもしれませんが、エピソードがぶつぎりだし、ペース配分がよくわかりません。そのうえ、なぞの演出が続きます。

 例えば、福島の原発被災地から避難していじめられている少女麻衣(長澤樹)をなぐさめる場面では突然、麻衣とハウが踊りだします。また、DV夫から逃げて修道院のシェルターでクラスめぐみ(モトーラ世理奈)をDV夫が追っかけてきたときは、なぜかカーチェイスが始まるし、なぜこうなったのか、いろいろ頭が困惑したまま話が進みます。なんか、今の社会課題を取って付けたようにハウとつなげているのですが、個々のエピソードが、えっこんなもん?と思わせてしまう微妙な演出でした。脚本は犬童監督と原作者の斉藤ひろしが手がけているので、確信犯なんでしょうが最後まで、えっ?ハウはあのあとどうしてこうなったの?と思わせる連続でした。

 ハウ役の犬はもふもふしていてあったかそう。演技もしっかりしていてこういう大型犬は見ると癒しになります。石田ゆり子のナレーションも落ち着かせる効果がありました。長澤、モトーラの若手から宮本信子ら大ベテランまでそろえたキャスティングは幅広い感じで興味深かった。
posted by 映画好きパパ at 09:09 | Comment(0) | 2022年に見た映画 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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