作品情報 2021年日本映画 監督:大野キャンディス真奈 出演:坂ノ上茜、黒住尚生、保土田寛 上映時間:88分 評価★★★(五段階) 観賞場所:シネマート新宿 2022年劇場鑑賞223本
ブログ村のランキングです。よかったらポチッと押してください

にほんブログ村
【ストーリー】
幼いころに母を無くして、過干渉の父(保土田寛)に育てられた女子高生の清水愛(坂ノ上茜)。門限は午後6時なのに父は仕事で遅いうえ、友達と遊ぶことも許されず学校でも家でもひとりぼっち。ある日、街でトランスジェンダーの聖子(黒住尚生)と出会い、お洒落で優しい聖子にあこがれて友達のような家族のような関係に。
一方、転校生でこれまた独特なお洒落で浮いている永井結(松村亮)も愛が気になる様子。聖子とも意気投合し、3人はこれまでにない心温まるような時間を過ごすようになるのだが…
【感想】
大野キャンディス真奈は1998年生まれで、本作のプロデュース、脚本、編集も手がける才人。脇役で本編に出演していました。その若い感性で、女の子の持っている寂しさ、家族への重いというのを描いたのでしょう。お洒落なファッションやピンクなどの色使いも若さゆえの感性でしょう。
冒頭、愛ちゃんが観客に語りかけつつ、ちょっと調子はずれの歌と踊りをしたとき、バックコーラスとの微妙なずれも含めて、毒親に育てられた愛ちゃんのことが愛おしくなりました。聖子や結のように外見やコミュニケーション能力は「社会の常識」から外れていても、中身はごくまっとうな人たちとの交流によって愛ちゃんは良いほうに変わっていきます。
ただ、愛と父親の関係もそうですが、聖子と家族の関係も、すごくチープな演出にすることで本質からそらしちゃっているような気がしちゃいました。結も含めて、こういう設定のために登場したという感がいなめません。例えば、愛ちゃんがお洒落になったことで、普通のギャルの友達ができて、それは彼女にとってよいことかもしれないのだけど、聖子ー結との関係も変わるかと思ったのにどっちつかず。2人が深いキャラだったら、もう少し展開できたように。
結末も、何かいい話で着地しちゃって、個人的には最後まで世間の常識から外れるような幹事でいってほしかった。まあ、それはさておき坂ノ上茜の愛ちゃんはひたすらキュート。そばにいたら応援したくなること間違いないです。固定観念にとらわれた大人をのぞけば悪い人はでてこないので、あたたかな気分になれます
【2022年に見た映画の最新記事】