2022年09月19日

百花

 今時、不倫して子供を捨てる女性を純愛と描くセンスには驚きました。痴呆症の問題も美しく描きすぎ絵空事にしか見えませんでした。

 作品情報 2022年日本映画 監督:川村元気 出演:菅田将暉、原田美枝子、長澤まさみ 上映時間:104分 評価★(五段階) 観賞場所:109シネマズ川崎  2022年劇場鑑賞235本



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 【ストーリー】
 レコード会社に勤務する葛西泉(菅田将暉)は、職場結婚した妻の香織(長澤まさみ)の出産も間近になり幸せな日々を送っていた。だが、一人暮らしをしている母・百合子(原田美枝子)がアルツハイマー病を発症してしまい、一人暮らしが難しくなる。

 施設にいれた泉に百合子は「半分の花火が見たい」と要望する。小さいころ、不倫相手の男(永瀬正敏)を追っかけて自分をすてた百合子に複雑な思いを抱く泉だったが…。

 【感想】
 愛の形はそれぞれだけど、児童虐待とかが話題になるなか子供を家に置き去りにするという完全な児童虐待をした百合子を平然と受け入れる作り方に終始違和感を覚えていました。また、子供の時に母に捨てられたせいか、泉が母親の愛情を求めて左右するマザコンにしかみえず、香織との仲も対等な男女というよりも、自分のことを受け入れてくれる彼女を母親の代わりに受け入れたようでむずがゆかった。

 認知症の人の考えていることを映像に映し出すのは難しいので、百合子が何度も同じ場面をリピートする映像をとっています。例えば階段を何段上っても目的地につきないとか。でも、これってホラーでよくある手法で認知症とは思えないのですよね。

 例えば認知症の人を描いた最近の作品では「誰かの花」なんて傑作があり、認知症の人がいかに周囲に疲れを及ぼし、汚いものかというのが実感できます。しかし、本作は年をとってもきれいな原田美枝子が演じていますし、徘徊した百合子を泉が探すシーンでもきれいなまま。半分の花火を含めて、美しい風景や美術で最初から最後まできれいごとにしようとするのはあきれました。
 
 レコード会社では部下の若い女性(河合優美)が中心となりAIに歌わせるプロジェクトが進められてますが、これも思わせぶりなままで終わってしまう。彼女と上司(北村有起哉)の不倫話なんか、とってつけたようでなんでこの映画で必要なのか理解不能でした。河合、北村もはじめそれなりの格の俳優がちょい役ででていてもったいない配役もしきり。思わせぶりでいかにも感動させようという作品が最近苦手になっていて、まさにその典型をみてしまった。

posted by 映画好きパパ at 07:05 | Comment(0) | 2022年に見た映画 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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