2022年09月28日

ヘルドッグス

 岡田准一が極悪な潜入捜査官を演じるこれぞ和製ハードボイルド。乾いたタッチの演出が特徴の原田眞人演出がぴったりで、原田作品で一番好き。

 作品情報 2022年日本映画 監督:原田眞人 出演:岡田准一、坂口健太郎、松岡茉優 上映時間:138分 評価★★★★(五段階) 観賞場所:109シネマズ湘南  2022年劇場鑑賞244本



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 【ストーリー】
 交番勤務時代に自らのミスで強盗殺人事件犯を見逃してしまった出月(岡田准一)は、犯人たちを独自の捜査で見つけ出し処刑した。警視庁上層部は事件をもみ消す代わりに兼高と名前を変えさせ、潜入捜査官として関東最大の暴力団東鞘会へ送り込む。

 東鞘会幹部の土岐(北村一輝)に気に入られた兼高は、サイコパスと呼ばれる室岡(坂口健太郎)とコンビを組み、敵対勢力を次々と殺していく。その一方で、土岐の愛人の恵美裏(松岡茉優)との逢瀬も重ねていく。そこへ警視庁の担当者の阿内(酒向芳)から、東鞘会トップの十朱(MIYAVI)が持つ秘密ファイルの奪回という難ミッションを命じられたのだが…

 【感想】
 潜入捜査官がそんなに人を殺しまわってはあかんだろうというくらいに、ハードなアクションの連続。岡田自身が格闘デザインを手掛けているだけあって、格闘にしろ、銃撃戦にしろ実践的なアクションが続きますが、優男のイメージが強い坂口がしっかりこれについていってるのも見所。また、ヤクザの愛人というこれまでにない役柄の松岡も魅力的です。

 少しでもミスしたら命のない潜入捜査官のミッション。一方、室岡も両親がテロを起こした新興宗教の幹部だったという過去を持ち、サイコパスの異名も伊達ではない。室岡は同じく幹部の子どもで幼馴染の杏南(木竜麻生)と会う時は人間らしい表情をみせますが、兼高は恵美裏と会う時も含めて1秒たりとも油断できません。そんな彼に室岡がほれ込んでいくのも見ていてよくわかります。

 ストーリーも入り組んでおり、組織でどうやってのし上がっていくのか、敵対組織の攻撃をどう防ぐかなどヤクザとしての難問が山積の一方、しっかりと十朱の悪事の証拠をつかまなければなりません。意外な人物の裏切りや、陰謀の見抜き方もあり知的興奮も楽しめます。

 脇役も豪華で世界的に活躍するロックミュージシャンMIYAVIの存在感やねちっこいインテリヤクザを演じるはんにゃの金田哲、さらに元劇団四季の経歴をいかしてかイタリア歌曲が持ち歌のヤクザの吉原光夫、極道御用達の高級クラブのママ役にバービーボーイズの杏子と多彩な顔ぶれを起用しています。極めつけは謎の女性役の大竹しのぶ。こうした一癖もふた癖もあるメンバーたちの重厚な演技が楽しめます。原田映画特有の活舌をナチュラルにするためセリフがききとりずらい面は本作でもありましたが、それがまたハードボイルドの世界にまっちしており、独特の味がでていました。
posted by 映画好きパパ at 06:12 | Comment(0) | 2022年に見た映画 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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