2022年11月04日

耳をすませば

 令和になっても結婚が最高という価値観を堂々と示したうえに、松坂桃李以外は大人も子役もなんだかなあという演技の連続。今年ワースト級です。松坂は今年ベスト「流浪の月」にも出ているので、どんな作品にも選ばずでている印象。

 作品情報 2020年日本映画 監督:平川雄一朗 出演:清野菜名、松坂桃李、近藤正臣 上映時間:114分 評価★(五段階) 観賞場所:Tジョイ横浜  2022年劇場鑑287本



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 【ストーリー】
 1988年、本好きの中学生、月島雫(安原琉那)は、図書室で自分より先に本を借りている同級生、天沢聖司(荒木飛羽)のことが気になる。最初は喧嘩をしていたが、ネコに連れられて、偶然、天沢の祖父(近藤正臣)の喫茶店に通うようになった雫は将来、童話作家になりたいと夢を語り、聖司もチェロ奏者になる夢を語る。

 10年後、聖司はイタリアに留学しており、出版社勤務となった雫とは遠距離恋愛を続けていた。だが、編集長(音尾琢真)のパワハラに怯え、担当作家(田中圭)に無理に修正を依頼したことらトラブルに。失意の雫は久しぶりに聖司に会いにイタリアへ行くのだが…

 【感想】
 原作のジブリアニメは未見。エンディングロールなど不思議な情景と思ったらアニメに寄せているそうですが、そもそもアニメは大人になった2人を描いていないこともあり、ジブリファンから不評ですね。話がそれますがジブリは配信をしていないし、僕は地上波テレビをみないので、昔のジブリ作品ってみていないんですよね。観ていたらまた感想が違ったかも。

 それはさておき、大人時代と中学時代が入れ子のようになる構造。冒頭、大人の雫がスキップしながら「翼をください」を歌いだしたときには、ちょっとこの人精神的に大丈夫なのだろうかと心配になりました。しかし中学時代もしっかり不思議ちゃん。さらに、安原がオーバーで朗読調の演技のため、見ていてイライラしていきます。清野もナチュラルな演技が得意とは言えないので、余計にフラストレーション。

 さらに大人パートもひどい。編集長のパワハラは時代設定を考えればやむを得ないのだけど、別に最後まで編集長がぎゃふんといわされるわけでもない。また、雫もイタリアまで行って仕事に対する姿勢が成長したかと思いきや、いきなり土下座で解決しようとする。出版って知的な仕事じゃないの?さらに、仕事がうまくいかず書いた童話も落選しつづき、疲れ果てた雫が、イケメンでチェリストとしてそれなりに成功している聖司と結婚することで人生逆転、大勝利といっているようで何年前の映画かよとあきれました。遠距離恋愛が大変だというけれど、10年間キスもしてなかったんですかね。

 中学時代の友人役に内田理央と山田裕貴が扮しているのですが、2人とも他の作品では見られないような気の抜けた感じ。中小出版社勤務なのに毎回、自宅でワインとこじゃれたつまみを用意しているなんて細部にわたって、バブルのころのトレンディドラマみたいでした。突然、聖司にいいよるイタリア女もトレンディドラマ的ですが、物語の流れをぶっつりきって、これまた不思議な感じ。あと主題歌の「翼をください」を杏が歌っているのも謎。普通に歌手に歌わせるか、松坂・清野でいいのに。杏は最後まで登場しなかったし、これこそ大人の事情ってやつかと疑ってしまいます。

 唯一、イタリアで聖司がチェロで「翼をください」を弾いているところが良いかと思ったら、1回目は中学時代の2人が突然現れて演奏しだし、2回目は町の人がみな踊りだすフラッシュモブ的演出に。清野と近藤が実際に耳に手を当てるシーンも含め、これまた令和の作品かよと冷やかにみてしまいました。

posted by 映画好きパパ at 06:03 | Comment(0) | 2022年に見た映画 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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