作品情報 2011年インド映画 監督:ゾーヤー・アクタル 出演:リティック・ローシャン、ファルハーン・アクタル、アバイ・デオール 上映時間:155分 評価★★★★★(五段階) 観賞場所:新宿ピカデリー 2022年劇場鑑298本
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【ストーリー】
デリーの建築士、カビール(アバイ・デオール)は親会社の社長令嬢、ナターシャ(カルキ・ケクラン)と結婚が決まり、旧友のアルジュン(リティック・ローシャン)、イムラーン(ファルハーン・アクタル)ともに独身最後の旅行をすることになった。
だが、カビールは高慢なお嬢様のナターシャに振り回され、ロンドンの投資銀行で働くアルジュンはブラック労働をこなしながらカネのことばかり考えている。イムラーンも詩人になりたいという夢をあきらめ、家電のコピーを書いて暮らしていた。そんな3人がスペインで非日常的な体験を満喫し、レイラ(カトリーナ・カイフ)という美女と出会ったことで人生に前向きに生きていく。
【感想】
なんか人生があまりうまくいっていない中高年のほうがぐっと来る内容です。3人は仕事や家庭、将来について自分の本当の幸せが何かを考えずに、目先の損得に流されたまま暮らしています。それがスペインの美しい自然や伝統的な祭りと触れ合ううちにどんどん人間らしさを取り戻していきます。
それぞれ社会人として忙しくて、なかなか時間がとれなかった3人。過去に彼女を巡ってトラブルが起きたこともあり、最初のころはギクシャクしています。特に、シビアな金融の世界で働くアルジュンは、いくつになっても子どもっぽいいたずらをするイムラーンに怒りが募っていきました。
しかし、3人の若いころ、自分たちが選んだ冒険をみんなでやろうということを約束しています。そのため泳げないアルジュンもスキューバダイビングに、高所恐怖症のイムラーンはスカイダイビングに挑戦することになります。最初はできないと知りごんでいても、いざやってみるとあまりにも非日常の体験のすばらしさにはまっていく。そして、今までくよくよした悩みやくすんだ日常は、実は自分の望んだものでないことに気づきます。
さらにダイビングインストラクターとして知り合うレイラの存在に刺激されます。スペインで自由に生きる彼女をみて、3人は自分の人生について自問自答します。このレイラが容姿、性格とも完璧で、自分の箱に閉じこもっていたアルジュンに「人間が箱に閉じこもるのは死んだときでいいの」とアドバイスします。タイトル通り人生は2度とないわけですから、1度きりの人生を自分で箱を作ってそこに押し込めるなんて、いかにもったいないことか。
登場人物はインド人ですが、欧米の映画といっても信じちゃいそうです。歌やダンスシーンも少ない、いわゆる踊らないインド映画。しかし、エンドロールのダンスシーンは相変わらず御見事。また、人生をポジティブに生きようというアピールはインド映画の得意の設定ですよね。ただ同種のインド映画と違い、単純な悪人は出てこなく、3人を含めて悪いことをする人にも、納得できる理由があります。こういうポジティブさはいい。
そして、スペインの美しい海と山に囲まれた道のドライブ。さらにトマト投げ祭り、牛追い祭りと日本でも有名なお祭りも物語を彩ります。リティック・ローシャンは「
スーパー30」のアーナンド先生で見たばかりですが、本作では超イケメン。その分、監督の弟のファルアン・アクタルがコメディリリーフになっており、3人のバランスがとれた配役でした。
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