作品情報 2021年フランス、スペイン映画 監督:ペドロ・アルモドバル 出演:ペネロペ・クルス、ミレナ・スミット、イスラエル・エレハルデ 上映時間:123分 評価★★★(五段階) 観賞場所:キノシネマみなとみらい 2022年劇場鑑299本
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【ストーリー】
カメラマンのジャニス(ペネロペ・クルス)はスペイン内戦で亡くなった曽祖父の遺骨収集について文化人類学者のアルトゥロ(イスラエル・エレハルデ)に相談するうちに男女の仲となる。だがアルトゥロには妻がおり、妊娠したジャニスはシングルマザーになる道を選んだ。
病院の同室でアナ(ミレナ・スミット)という若いフリーターと仲よくなったジャニス。出産後、アルトゥロから両親のどちらにも似ていないとDNA鑑定を要求されたことに腹が立ったが、不安になり鑑定を実施したところ、なんとアナと赤ん坊が取り違えられていたことが発覚。しかもアナの赤ん坊は突然死をしていた。そのことを言い出せないまま、ジャニスは生活に苦しむアナをベビーシッターとして雇う…。
【感想】
赤ちゃんが取り替えられた話で国際的に評価の高い作品には「そして父になる」があります。日本とスペインでは制度が違うのですが、病院のミスは普通に訴訟沙汰になるはずなのに、ジャニスがなぜだれにも言わないのかすごい不思議でした。
自分の赤ちゃんだと思って育てたので愛着がわいてだまっていたのかと思いきや、アナをベビーシッターとして雇う。このへんの心理描写が異国の男である僕からするとよくわかりません。しかもジャニスはカメラマンとして意思の強い女性として描かれていましたし謎でした。
アナがシングルマザーになったのにも理由があり、一言でいうと男がクズでした。でも、こちらも女性は泣き寝入り。アルトゥロだって不倫して妊娠させてるわけで、その結果をジャニスだけが受け入れているわけで、スペインの女性というのは弱いのかとすら思ってしまいます。
ジャニスとアナの心理的対決で盛り上がるかと思いきや、終盤はいっきにスペイン内戦の犠牲者追悼映画に変わってしまいます。取り換え後で濃密な話がねっとり続いた後にこれはないだろうというのが正直な気持ちでした。内戦の傷跡が今を生きる若い人にもつながっていることを示したいのかもしれないけれど、それぞれ重要なテーマになるのに、どっちつかずになってしまいすごいもったいない。ペネロペ・クルスは50代と思えないほどの若々しさで、それは見ごたえがありましたけどね。
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