作品情報 2021年韓国映画 監督:ソ・ユミン 出演:ソ・イェジ、キム・ガンウ、パク・サンウク 上映時間:100分 評価★★★★(五段階) 観賞場所:キノシネマみなとみらい 2022年劇場鑑300本
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【ストーリー】
スジン(ソ・イェジ)は病院のベッドで目覚めたら記憶喪失になっていた。登山中の事故で頭を打ったのが原因だそうだが、自分の名前すら覚えていない。優しい夫のジフン(キム・ガンウ)の懸命の看護で退院できるが、ジフンのことも思い出せなかった。
帰宅後、スジンはマンションのエレベーターで一緒になった女子小学生に触れたとたん、彼女がトラックにはねられる風景が目に浮かんだ。慌てたスジンは小学生のあとを追いかけ、はねられそうになったところを間一髪助ける。同様のことが繰り返された。しかし、ジフンも医者も警察も信じようとしない。自分に予知能力があるのではと疑うスジンだが、なんと自分が殺される風景が目に浮かび、しかもその犯人は…
【感想】
今時記憶喪失のヒロインが命の危機に陥るプロットなんて古臭いな、とそんなに期待しないで見ました。うさんくさい人はいかにも怪しいし、上映時間も短いので犯人がさっさとわかって、間一髪助かるんだろうと勝手に先読みしていたらとんでもない。いやはや恐れ入りました。
そんなことありえないだろうと一見、大きな穴にみえることもあとで思い出せばしっかりと伏線を張っています。まあ、記憶喪失が都合のいい使われ方をしているというところはありますが。しかし、どこまでが本当で、どこまでが幻で、どこまでがスジンの能力なのか、観客も混乱させるような撮り方をしているので結構意地が悪い。
スジンの能力は何か、犯人はだれか、そもそも犯罪は起きているのかと謎解きの要素がメインですが、しっかりとした純愛映画になっているのも韓国映画らしい。エピローグ的に過去の彼女の様子が描かれて、そこで初めてすべての謎が解けるとともに、純愛の切なさ、美しさに思わず涙がでそうになりました。
ソ・イェジは結構、出演本数はあるのですが僕が見るのは初めて。上白石姉妹に似た感じの真面目そうな表情がよく似合ってます。キム・ガンウはやはり僕の好きな韓国ミステリー映画「死体が消えた夜」で殺人犯をしており、一見優しそうに見えるけど何を考えているのかわからない役にはぴったり。また、ベテラン、パク・サンウク扮する刑事は一見昼行燈風に見えて実は敏腕という役どころのはずですが、こんなミスがあるかいというようなことをやってしまい、韓国映画の警察はやはりぼんくらの印象がますます強くなりました。女性監督のソ・ユミンは長編デビュー作だそうで、今後が楽しみです。
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