2022年11月15日

窓辺にて

 恋愛映画の名手、今泉力哉監督が自ら脚本も手掛けた新作。今泉監督らしい、ちょっとスノップでおしゃれな会話劇が続くのだけど、従来作にあったような人をくったユーモアが見当たらなかったのが残念。

 作品情報 2022年日本映画 監督:今泉力哉 出演:稲垣吾郎、中村ゆり、玉城ティナ 上映時間:143分 評価★★★(五段階) 観賞場所:キノシネマみなとみらい  2022年劇場鑑301本



ブログ村のランキングです。よかったらポチッと押してください
にほんブログ村 映画ブログへ
にほんブログ村
 【ストーリー】
 元小説家でしがないライターの市川茂巳(稲垣吾郎)は女子高生ベストセラー作家、久保留亜(玉城ティナ)の記者会見で気に入られ、互いにいろんな相談をするようになる。

 編集者をしている茂巳の妻の紗衣(中村ゆり)は、担当小説家の荒川(佐々木詩音)と不倫をしていた。だが、茂巳はそのことを知った時に怒りが起きなかった。自分が本当に紗衣のことを愛しているのか不安になる茂巳。一方、留亜も自分が売れっ子になることで、彼氏の水木(倉悠貴)との関係が微妙になり…

 【感想】
 男と女の微妙な関係について、茂巳の友人の有坂夫婦(若葉竜也、志田未来)も交えて描いています。今時、不倫といったら総攻撃されるけど、それも含めた愛の形をさらりと描く今泉作品はどこかフランス映画を想起させます。日本の恋愛映画でありがちな難病とか大きなイベントが一切起きないのもいい。2時間半近いですが長さを感じさせませんでした。

 稲垣、中村、玉城と主要キャストは従来の今泉作品の出演者とはちょっとテイストが違う感じもあり、特に稲垣と玉城はナチュラルな芸達者というよりも、インパクトが強いのが印象的。2人のラブホテルでのシーンは年齢差が離れていすぎているとはいえ、恋愛とは別に友情が成立するのかと、結構ドキドキしました。

 また、アラフォーの中村ゆりがものすごく美しく撮れているのも今泉作品らしい。年を重ねた美しさをきちんと表現できるのがいいですね。脇役が多い彼女ですが、こうしてヒロインぽい位置づけもしっかり演じられるのはさすが。彼女だけでなく男優もきちりとした演出やカメラワークに引き立てられているのも今泉作品らしい。

 でも、登場人物が結局、皆、それほど常識を外れていない普通の人物というのが、リアルなのかもしれないけどインパクトに書けてしまいます。その結果、「猫は逃げた」「あの頃。」、脚本だけど「愛なのに」といった近作でお気に入りだった、ちょっと変わった人物たちによるひねくれた会話劇がなかったんですよね。まあ、パフェは思い切り食べたくなりましたけど。
posted by 映画好きパパ at 06:03 | Comment(0) | 2022年に見た映画 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前:

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント:

認証コード: [必須入力]


※画像の中の文字を半角で入力してください。