作品情報 2021年イギリス、チリ、アメリカ、ドイツ映画 監督:パブロ・ラライン 出演:クリステン・スチュワート、ティモシー・スポール、サリー・ホーキンス 上映時間:117分 評価★★★(五段階) 観賞場所:キノシネマみなとみらい 2022年劇場鑑302本
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【ストーリー】
1991年、英国のダイアナ妃(クリステン・スチュワート)は夫のチャールズ皇太子(ジャック・ファーシング)の不倫に加えて、堅苦しい王室の規則、押し寄せるパパラッチの群などで精神的にダメージを受けていた。
エリザベス女王(ステラ・ゴーネット)の私邸、サンドリガムハウスに王室はクリスマス休暇のために集まったが、ダイアナは心身とも不調な状態が続いた。館の執事のグレゴリー少佐(ティモシー・スポール)に監視されてると思いこんだダイアナは、唯一心を許せる衣装係のマギー(サリー・ホーキンス)が追放されて、限界に来てしまう…
【感想】
ダイアナ妃のドキュメンタリーと同時期に、しかもエリザベス女王の亡くなった直後の公開というのは不思議な因縁。ドキュメンタリーを見ても、本作をみてもダイアナに同情し、チャールズってひどいなあと思ってしまいます。本作では女王をあえて悪者にせず、超然とした扱いにしていたのも、女王死去後の公開には問題がなかったでしょう。
実際のダイアナ妃が心身共に不調を訴えていたのは事実です。ただ、彼女は平民ではなくてスペンサー伯爵家の令嬢でもあったのですから、本作ではちょっと庶民出身に見えてしまいました。ダイアナの先祖で、王に不倫されたあげく死刑になったアン・ブーリン(エイミー・マンソン)の幻がでてくるのは良いアイデアなのですが、とにかくダイアナが一方的に迫害されているのを映し出しているのを見ると、ちょっとやりすぎではと思えてしまいました。
実際に起こったことかわかりませんが、チャールズがダイアナと愛人に同じ真珠のネックレスを送り、ダイアナがその真珠を食べてしまうシーンは大変インパクトがありました。でも、終始、そんな感じでわざと音を外すクラシックのBGMも含め、不快感が続きます。グレゴリーやマギーとの会話も興味深いし、2人の子どもたちへの愛情もいい。でも、周囲から見れば、ダイアナにも責任の一端があったのではという気もしてなりませんでした。
それはさておき、場面ごとに違うダイアナのファッションはドレスにしろジーンズにしろとにかくみとれてしまい、しかも、カリフォルニア出身のクリステン・スチュワートがダイアナのエレガントな雰囲気をしっかり出しているのがいい。一方で、チャールズ皇太子役のジャック・ファーシングがぱっとしないのはわざとなんでしょうか。ファッションだけでなくて、サンドリガムハウスの豪華な内装と空疎な人間関係のマッチング、ゴージャスな宮廷料理とケンタッキー・フライド・チキンの落差などうまく描いています。ただ、そこすらちょっとダイアナの悲劇を目立たせるためにやりすぎているような気もしました。実際のところどうなんでしょうね。
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