2022年11月29日

ザ・メニュー

 美食やセレブの馬鹿さ加減を思い切りブラックに描いたサスペンス。突っ込みどころ多数ですが、世界トップの美食よりもチーズバーガーのほうがうまそうなのは僕が庶民の証拠なのかな。

 作品情報 2022年アメリカ映画 監督: マーク・マイロッド 出演:レイフ・ファインズ、アニャ・テイラー=ジョイ、ニコラス・ホルト 上映時間:107分 評価★★★(五段階) 観賞場所:109シネマズ湘南  2022年劇場鑑賞320本 



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 【ストーリー】
 太平洋の孤島にあり、予約困難な超高級レストラン「ホーソン」にマーゴ(アニャ・テイラー=ジョイ)とタイラー(ニコラス・ホルト)の若いカップルが訪れた。他の客は映画スター(ジョン・レグイザモ)、高慢な料理評論家のリリアン(ジャネット・マクティア)らセレブばかり。

 天才料理人スローヴィク(レイフ・ファインズ)の究極のフルコースが味わえるとあり、タイラーは有頂天。だが料理にそこまで関心がないマーゴはレストランに不審を感じる。やがて、想像もつかない恐怖が彼らに襲い掛かり…

 【感想】
 最先端の料理が科学技術を駆使したり、現代アートみたいなものになっていたのは知っていましたが、実際に味わうとなるとちょっとひいちゃいそう。以前、期間限定に世界一有名なレストランが東京に出店しましたが、目玉料理が蟻だと聞いて驚いたことがありました。

 本作にでてくる料理はスローヴィクが大真面目にうんちくを語り、客はそれを聞かなければなりません。厨房は軍隊のように一糸乱れぬ統制で「Yes シェフ」を繰り返すばかり。自分がほしいものを欲しい時に食べられる庶民のほうが、こんな肩ひじ張った高級レストランよりはるかにましと思います。

 若いマーゴとタイラーを除いたセレブたちは、料理の味を楽しむのでなく金持ちということをみせびらかしたいのか、逆に料理の枝葉末節にこだわりシェフへのリスペクトがない嫌味な連中ばかり。事件に可哀そうな理由で巻き込まれた人もいたけど、大学に学費ローンなしでいける時点で、庶民とはかけ離れた存在になるアメリカ社会の怖さを感じさせられます。

 スタッフがなぜあそこまでスローヴィクに従うのかとか、犠牲者がもっと本気で逃げようとしないのかとか突っ込みどころもあります。考えない労働者階級はリーダーに盲目的に従い、金持ちセレブは自分で行動をおこそうとしないことへの皮肉なんでしょうか。当初はマーゴ役にエマ・ワトソンが予定されていましたが、しぶといまでの生命力という意味ではアニャ・テイラー=ジョイで良かった。ニコラス・ホルトはアクションの出演も多いのに、グルメオタクみたいなねちっこい役もよく似合いますね。孤島やレストランの美術もよかったのですけど、「世にも奇妙な物語」の超豪華版にも見えてしまいました。

posted by 映画好きパパ at 06:05 | Comment(0) | 2022年に見た映画 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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