作品情報 2021年韓国映画 監督:キム・ジョングァン 出演:ヨン・ウジン、イ・ジウン、キム・サンホ 上映時間:82分 評価★★★(五段階) 観賞場所:シネマート新宿 2022年劇場鑑賞323本
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【ストーリー】
冬のソウル。イギリスから7年ぶりに帰国した小説家のチャンソク(ヨン・ウジン)。彼の人生と交錯した4人の男女と出会う。喫茶店で誰かを待つ女ミヨン(イ・ジウン)、編集者のユジン(ユン・ヘリ)、カメラマンのソンハ(キム・サンホ)、バーテンダーのチュウン(イ・ジュヨン)。心に深い葛藤を持つ4人と出会ったことでチャンソクは…
【感想】
韓国語ができてソウルのことを知っていたらこの映画を堪能できたでしょう。全4章に分かれ、基本的にチャンソクがだれか1人と会話をするだけの話です。その会話の内容が小説家であるチャンソクが実際に体験したことか、それとも小説家としての作り話なのか。みているこちらにもあいまいです。「宮松と山下」の小説家版とでもいうべきでしょうか。
夜や寒い雪の日を舞台にしていますが、徹底的な闇というよりもけだるい雰囲気が漂います。チャンソクが会う4人はそれぞれ事情を抱えており、それもけだるさ、切なさという雰囲気によく遭うエピソード。
第1章のミヨンとの会話劇が一番お気に入り。老・病・死は避けられないものですが、若いうちには全然ぴんときません。まだ若い小説家のチャンソクもそうです。だからこそ、なおさら若さのはかなさのような雰囲気が伝わってきます。日本語ポスターだとイ・ジウンがヒロインのようですが、あくまでも4分の1しかでてきません。でもその少ない出番にもかかわらず、何とも言えない存在感を発揮しているのはさすが。
第3章のソンハとの対話もしごく落ち着いた感じ。名ベテランのキム・サンホは怒鳴っている役柄の印象が強いのですが、本作ではヨン・ウジンと淡々と抑えた感じで会話を繰り広げていきます。これまた、老・病・死を考えさせられ、特にもう初老ともいえるキム・サンホとまだまだこれからの若者ヨン・ウジンの対比が良かった。
2章はぴんとこず、4章は狙いすぎといった感じでしょうか。たしかにヒーリングという雰囲気ですが、テーマはしっかりとしています。でも、会話劇が延々とつづくこともあり、睡魔と戦いながらの鑑賞でした。本当に韓国語ができれば、もっと中身に集中できたろうになあ。
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