2022年12月20日

MEN 同じ顔の男たち

 これまたA24らしい不気味で美しい作品。ただ、前半は100点なんですけど後半はフェミ視点が強くてげんなり。観客に意味を任せるようなところも、今更感がありました。

 作品情報 2022年イギリス映画 監督:アレックス・ガーランド 出演:ジェシー・バックリー、ロリー・キニア、パーパ・エッシードゥ 上映時間:100分 評価★★★(五段階) 観賞場所:TOHOシネマズ日比谷  2022年劇場鑑賞341本



ブログ村のランキングです。よかったらポチッと押してください
にほんブログ村 映画ブログへ
にほんブログ村

 【ストーリー】
 ハーパー(ジェシー・バックリー)は離婚話がもつれたうえ、夫ジェームズ(パーパ・エッシードゥ)に目の前で自殺されてしまう。精神的にショックを受けた彼女は田舎の豪勢な一軒家を借りて、休養することにした。

 家主のジェフリー(ロリー・キニア)は親切だが、押しつけがましいところがありハーパーはイラっと来る。森の中へ散歩にでた彼女は謎の裸の男に付きまとわれ、警察を呼ぶのだが…

 【感想】
 冒頭、ジェームズの自殺と失意で田舎に向かうシーンをレスリー・ダンカンの名曲「LOVE SONG」で流すセンスにぐっとひきつけられました。さらに、親切だけどうさんくさそうなジェフリーの不穏さや、森の中で見つけたトンネルでハーパーがやまびこを音楽のように遊ぶ様子など、美しさと不気味さの両立はこんなにできるのかと世界観にひきつけられます。

 中盤、村の中にいって神父、警官、少年など主な役をすべてロリー・キニアが演じているあたりのぬめっと感もなかなかのもの。ただ、それぞれは大したことがなくても、一人旅をしている女性にとってはイラっとくるようなことばかりしてきており、フェミ的な要素が強まっていることを感じました。それ自体、男性の僕には気づかないような不快感を女性が受けているというがわかるのは参考になります。

 ただ、ハーパー自身も田舎に住む人を思い切りバカにしており、男と女、都会と田舎という前者が強い対立構造からすると、彼女だけが被害者っぽく描かれるのがイラっとくるのですよね。村の住民の顔がすべて同じに見えるというのも、男性への恐怖からというより、彼女が一人一人を対等な人間としてみていなかったからという気がしてなりません。それまでの意味ありげな伏線もあまり効果がでていませんし。

 そして、賛否両論が分かれているクライマックス。映像的にショッキングなものをみせて、男性の劣等さをつげているようにしか見えませんでした。僕は否定的な見方。ただ、監督が日本アニメ「進撃の巨人」を見て変更したという映像や、最初は恐怖におびえていたハーパーが軽蔑に満ちた表情に変わっていくのはみものでした。まあ、内容よりも雰囲気で楽しめた感じかな。見る人によって感想ががらりと変わる作品でしょうね。
posted by 映画好きパパ at 06:07 | Comment(0) | 2022年に見た映画 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前:

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント:

認証コード: [必須入力]


※画像の中の文字を半角で入力してください。