作品情報 2022年イギリス映画 監督:ニック・ウィンストン 出演:サマンサ・バークス、ラミン・カリムルー、オリバー・クレイトン 上映時間:110分 評価★★(五段階) 観賞場所:シネスイッチ銀座 2022年劇場鑑賞350本
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【ストーリー】
結婚10周年を迎えた売れっ子画家のキャサリン(サマンサ・バークス)とコピーライターのウィル(ラミン・カリムルー)。2人は10歳の息子ザック(オリバー・クレイトン)がいるものの夫婦仲は険悪。とうとう離婚を決意する。離婚前夜と楽しかった結婚式前夜をそれぞれ映し出しながら、愛の変化をたどっていく。
【感想】
主役2人は世界的なミュージカルスターで、大ヒットミュージカルの映画化とありかなり期待していたのですが、冒頭からちょっと肩透かし。2人がソロで交互に歌いだすのだけど、思い出のテムズ川のほとりで歌うキャサリンはまだしも、ウィルはオフィス内で歩いたり自席に座りながら歌っていて、周囲の人は普通に仕事をしている。しかも、別どりなのか唇の動きが小さくて、音量はあるものの周囲の映像とあっていない。
こういう感じで終始、ミュージカルなのに群舞どころか本人のダンスもない。しっとりとしたバラードだったらまだしも、終盤に至るまでほとんどの曲がこんな感じなので目を引かないのですね。クライマックスのナンバーでようやく群舞と2人を含めた派手なパフォーマンスが楽しめたのですが、さすがにそこまでが長かった。
同様のテーマだったらアダム・ドライバーとスカーレット・ヨハンソンの「マリッジ・ストーリー」はもとより、10年以上前にも「ブルー・バレンタイン」なんて傑作があるわけで、それらに比べると深みが感じられませんでした。主役2人とザックをのぞいた両親や友人たちは思わせぶりに登場するけど本筋にたいして絡まないし、そもそもキャサリンもウィルもリッチなセレブで、恋愛・結婚ごっこしか見られないんですよね。
一昔前だったら、きゃあゴージャスというふうに感心できたかもしれませんが、先日みた「ハッピーニューイヤー」ですら格差問題とかをさりげなくはさんでいたのに、本作の恋愛のみというのはちょっと古いような。だいたい今日さえよければいいなんて、このご時世、金持ちだけしか許されないって。すべての歌はキャストが歌っているとエンドクレジットで出るように、歌自体は迫力があって見事なものです。2人だけでなく、子役の演技も見事でした。それだけにちょっともったいなかった。
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