作品情報 2022年日本映画 監督:中江功 出演:吉岡秀隆、柴咲コウ、高橋海人 上映時間:134分 評価★★(五段階) 観賞場所:TOHOシネマズ渋谷 2022年劇場鑑賞351本
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【ストーリー】
沖縄の離島、志木那島に名医の五島健助(吉岡秀隆)がやってきてから19年。島民からはコト―先生と家族同然のように親しまれていた。看護師の彩佳(柴咲コウ)との結婚も済ませ、彼女は妊娠中。もう一人の看護師、西野那美(生田絵梨花)も加わった診療所に、新人の研修医織田判斗(高橋海人)が東京からやってきた。
島民たちはコト―に頼りきりだが、突然、彼の体を病が襲う。さらに、次々と不幸なできごとが起きる中、台風で土砂崩れが襲い、多数の島民が診療所にかつぎこまれ…
【感想】
TVERで見逃し放送をやっていたこともあり、ドラマ版を改めてみましたがじっくりと時間をかけたロケ、子役からベテランまで物語に溶け込んだ配役、沖縄の美しい風景といまだに人気があるのがわかる名作です。それだけに楽しみにしていたのですが…。
まず、映像で描かれなかった16年の間に、コト―と彩佳が結婚していたのは驚きました。特に結婚したのが数年前とあり、10年間もあのつかず離れずの関係が続いていたと思うと笑えてしまいます。それよりもっと驚いたのが、2006年のドラマで看護師をしていたミナ(蒼井優)が事務長の和田(筧利夫)と結婚して5人の子持ちになっていたこと。こういう年月がとんだことによるハプニングは久々に映像でみられて良かったです。
また、吉岡、柴咲、彩佳父親の星野役の小林薫、ベテラン漁師・原剛利役の時任三郎といった中心役のベテランはもとより、当時は子役だった神木隆之介、ちょい役の堺雅人ら懐かしい顔ぶれがそろったこと。驚いたのは当時村長役の坂本長利が90歳を超えているのに出演していたことと、ドラマでは子役の中心人物で、剛利の息子役の富岡涼も芸能界を引退していましたが本作のために特別に出演しています。高橋、生田の新規加入組もフレッシュな風を吹き込んでくれました。
ただ、脚本がドラマ版からずっと続けてきた吉田紀子の思い入れが強すぎたのか今一つ。例えば、コト―が病気になるのだけど、ドラマ版では彩佳、星野夫妻とコト―の周りの人物がそれぞれ病気になって大変だとなるエピソードがあり、またかよという感じ。何より終盤まで過疎の問題や人間関係が濃厚すぎる田舎の問題などにふれながら、クライマックスでわけのわからない精神論で無理やり解決しちゃったこと。フジの医療ドラマは「劇場版ラジエーションハウス」もとんでもなくしょうもないクライマックスだったけど、名作ドラマのオリジナルと同じスタッフ、キャストでこんなふうになっちゃったのは、悪い意味で想定外で残念でした。
エピローグはハッピーエンドかアンハッピーエンドか見方が分かれているようですが、どちらにしてもご都合主義は否めません。
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