2023年01月17日

Never Goin´Back/ネバー・ゴーイン・バック

 米国人は日本人よりもリッチで良い生活をしていると思われがちですが、プアホワイトと呼ばれる底辺白人は悲惨な生活をしています。そんなプアホワイトの少女の青春を、元気いっぱい映したA24制作の快作です。

 作品情報 2018年アメリカ映画 監督:オーガスティン・フリッゼル 出演:マイア・ミッチェル、カミラ・モローネ、カイル・ムーニー 上映時間:86分 評価★★★★(五段階) 観賞場所:TOHOシネマズシャンテ  2023年劇場鑑賞12本

 【ストーリー】
 テキサスの田舎町でルームシェアをしているアンジェラ(マイア・ミッチェル)とジェシー(カミラ・モローネ)。ウェイトレスをしながら、薬に男にと楽しく過ごしているが、ある日、アンジェラがジェシーへの誕生日プレゼントで、海辺への旅行を提案する。

 すっかり楽しみにした2人だが、同居するジェシーの兄のダスティン(ジョエル・アレン)のトラブルで警察に家宅捜索され、麻薬所持で逮捕されてしまう。このままだと勤務先のダイナーを首になり、旅行代金が支払えなくなることにあせった2人は…

 【感想】
 アメリカの貧困層のリアルな生活がわかって面白い。はたから見れば人生どん底なんだけど、麻薬のお陰もあって妙にお気楽。犯罪を犯しても罪悪感皆無。トランプ支持者の岩盤層がホワイトトラッシュといわれますけれど、こういう作品をみればリベラルなエリートに反発するのがよくわかります。

 アンジェラもジェシーも美人だけど、物事をこらえることをしらない。バイト先に謝りに行く前に、麻薬パーティーが開かれると知ったら喜んで参加。案の定、ヘロヘロになって首になります。また、レズビアン的要素をうかがわせる一方、強盗狂言のためには色仕掛けをしようとするなど、とにかく目先の金のためにはなんでもしてしまう。

 2人だけでなく登場人物の大半が非常識な犯罪者か、愚か者。ダイナーの店長だけはまっとうで、2人を何とか助けようとしていたけれど、その好意すら無駄にしちゃうのだからね。でも、映画でみている限り(実際にそばにいるのでなければ)、底抜けに明るい彼女たちに妙に親近感を持ってしまうのですよね。最初から最後までまったく成長していないけれど、明るくしていれば人生いいことあるかもしれない、なんて思ってしまいます。

 また、マイアミでもハワイでもなく、同じテキサスにビーチ、しかもガルヴェストンで大喜び。いや、ガルヴェストンの映画みたけれど、寂れた田舎町でしたよ。そんなささやかなことでも、人生で1番うれしいなんて、彼女たちのうらぶれた生活が伺われて、ジーンときます。2人の水着姿もセクシーというよりも、ああ、頑張って生きているなというイメージがただよってしまいました。

 犯罪はするわ、Hだけでなく大便やゲロもまき散らすは、生真面目な人からすると顔をしかめるかもしれません。でも、生きるパワーというのはたいしたもの。フリッゼル監督自身も若いころに極貧の生活をしていたそうで、劇中のエピソードも実体験のものが盛り込まれているそうです。NYやシリコンバレーとほど遠い、アメリカのド田舎を楽しめる作品でした。
posted by 映画好きパパ at 06:17 | Comment(0) | 2023年に見た映画 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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