2023年01月20日

イチケイのカラス 

 テレビドラマの映画化って、妙に気合が入って空回りしちゃうケースがあるのだけど本作はその典型。ドラマをみていたから竹野内豊と黒木華の掛け合いは楽しめるけど、
それ以外は欠点ばかりみえる作品でした。

 作品情報 2023年日本映画 監督:田中亮 出演:竹野内豊、黒木華、斎藤工 上映時間:119分 評価★★(五段階) 観賞場所:TOHOシネマズ川崎  2023年劇場鑑賞15本



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 【ストーリー】
 職権を発動して裁判所主導で事件の調査に乗り出すユニークな裁判官の入間みちお(竹ノ内豊)。上層部からの受けも悪く、現在は東京地裁第一刑事部(イチケイ)から熊本地裁を経て、岡山地裁秋名支部に移動になった。一方、理屈ばかりの裁判官でイチケイで入間と迷コンビを組んでいた坂間千鶴判事(黒木華)も、他職経験のため秋名市の隣の日尾美町で弁護士業務を始めていた。偶然の再会に困惑する千鶴。

 そのころ、岡山県沖で最新鋭イージス艦と貨物船が衝突し、貨物船の島谷船長(津田健次郎)らが死亡する事故が発生。事故は貨物船の責任とされたが、納得のいかない船長の妻(田中みな実)が、地元選出の防衛大臣、鵜城英二(向井理)に襲いかかった事件を入間が担当。職権を発動して事故を調べようとして大騒ぎになる。一方、千鶴は地元の人権派弁護士、月本信吾(斎藤工)から、地元の大企業による公害の調査に協力してほしいと依頼を受けるのだが…

 【感想】
 あんまりあきれたので、最後にネタばれで怒りをぶちまけますので、これから映画をみたいかたはご注意を。

 テレビ版は2人に加えて検察官役の山崎育三郎、書記官役の中村梅雀、入間の師匠格にあたる小日向文世ら、癖のあるメンバーの掛け合いが売りになっていました。本作では斎藤が真面目な人権弁護士であり、入間の同僚裁判官役の西野七瀬、柄本時生もこのメンバーでは若手のため、全体のアンサンブルが皆無です。

 予告編にある野球のシーンや、千鶴が穴を掘りながら入間の悪口を叫びまわっているところは笑えましたけど、そのへんしか見どころがないんですよね。一応、巨大権力との戦いを売りにしているのだけど、そもそも裁判官って権力者じゃないですか。映画版だから相手を巨大にしたのだろうけど、中身がなくて空回りばかり。

 しかも、公害裁判の支援者で裁判所前で緑のコスチュームの環境団体による謎のパフォーマンスが繰り広げられたり、一番、予算をかけていいはずのイージス艦の衝突事故のシーンがしょぼいCGだったりと、正直安っぽく見えてしまいました。以下、ネタばれ。沈黙のパレードのネタバレにもなりますので、ご注意を。






 さらに、裁判が始まると入間の無理やりな裁判の指揮はお話だからまだしも、秘密を隠したいはずの犯人たちがべらべらとしゃべりだすので安っぽさの極み。そのくせ、防衛からみの話題になると、中途半端に隠ぺいが国民のためとかそういう理屈になるダブルスタンダード。一番あきれたのが、犯人が住民たちによるもので、吉田羊が首謀者の一人だということ。いや、これ「沈黙のパレード」と同じじゃないですか。ともにフジテレビのミステリードラマの映画かなのに、犯人も役者も一緒ってどういうことなのか、と本当にあきれてしまいました。フジテレビのプロデューサーは脚本段階で文句いったり、俳優を変えようとしなかったんですかね。
posted by 映画好きパパ at 06:08 | Comment(0) | 2023年に見た映画 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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