2023年01月23日

チーム・ジンバブエのソムリエたち

 世界最貧国ジンバブエを脱出した難民たちがソムリエとなり、世界大会に挑むというまさに「事実は小説より奇なり」を地で行くノンフィクション。ジンバブエの混乱した情勢の紹介もあり、この地域の知識に乏しい僕にも勉強になりました。

 作品情報 2021年オーストラリア映画ドキュメンタリー 監督:ワーウィック・ロス、ロブ・コ― 上映時間:96分 評価★★★★(五段階) 観賞場所:ヒューマントラストシネマ有楽町  2023年劇場鑑賞18本



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 【ストーリー、感想】
 腐敗と極度に悪化した治安、ハイパーインフレの祖国ジンバブエから、命からがら南アフリカに脱出してきた4人の男たち。難民の職がない中、レストランに勤めはじめた4人は初めてワインと出会い、その魅力にとりつかれソムリエとなる。やがて、フランスで年に1回開かれるワインテイスティングの世界大会に、ジンバブエ代表として出場が決まり…

 ほんの数年前までワインと縁もゆかりもなかった4人が、ワインの魅力に取りつかれて日々テイスティングの勉強をするなんて人生はわかりません。ジンバブエから南アフリカへの脱出は国境で撃たれることもあるし、ワニなど危険な野生動物に襲われることもあり文字通り命がけ。家族をジンバブエにおいて単身で稼ぎにきた人もいますが南アフリカで職がみつかるとはかぎりません。こんなアフリカの厳しい状況にふれつつ、底抜けに明るい4人に救われます。

 僕自身、ワインはさっぱりわからないのだけど、4人のワインに対する取り組みは真剣そのもの。南アフリカでの大会で上位になったジンバブエ出身者がチーム・ジンバブエになるものの、旅費がなかったり、欧米に比べて南アフリカで手に入るワインが限られているといった難問に次々とぶちあたるといったあたりは、スポコンの主人公が次々と活躍するシーンを思い出しました。 

 しかし、4人のやる気と明るさで難問もクリアしていきます。また、4人だけでなくフランスで4人のコーチとなるフランス人のおっさんをはじめ、キャラがみな濃すぎるほど。そうしたなか感心したのはワインの世界は白人男性ばかりで、チーム・ジンバブエが多様性の象徴になるということ。実際、世界大会では英米のチームも白人だけ、有色人種だけのチームはジンバブエと中国だけで、いかに白人のクローズドサークルかわかります。それでも、前向きに挑戦していくジンバブエには勇気をもらえそう。

 結果はどうなるかは見てのお楽しみですが、応援してくれる家族への愛情に加えて、それでもジンバブエを愛して、国を変えるのは国民一人一人だと語る彼らの熱い祖国愛も心に残ります。また、数学をとくことに似ているというワインテイスティングの世界の奥深さも興味深かった。おいしいワインを飲みたくなりました。
posted by 映画好きパパ at 06:51 | Comment(0) | 2023年に見た映画 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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