作品情報 2022年韓国映画 監督:チョン・ミョングァン 出演:チョン・ウ、キム・ガプス、チェ・ムソン 上映時間:120分 評価★★★(五段階) 観賞場所:キノシネマみなとみらい 2023年劇場鑑賞25本
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【ストーリー】
釜山郊外の港町クアンのホテル支配人ヒス(チョン・ウ)は、ホテルの社長をしながら地元の暗黒街を束ねているソン(キム・ガプス)の右腕として、汚れ仕事をしていた。同じ孤児院出身のインスク(ユン・ジへ)と恋に落ちたヒスは足を洗いたいと決意。
だが、そのころ釜山の巨大組織ヨンドが港町の利権を狙っていた。ヨンドはヒス、インスクと同じ孤児院出身で幼いころからの親友のチョルジン(チ・スンヒョン)に命じて、ヒスを裏切らせようとしていた。やがて抗争がはじまり、ヒスは窮地に追い込まれ…
【感想】
非常に丁寧に地味にヤクザたちの日常を描いていきます。町の人から頼られるヒスですが、組織の命令では殺人も辞さない厳しい日々。インスクと彼女の息子アミ(イ・ホンネ)とのまったりした生活が心の支えでした。アミは不良少年でヒスを実の親父のように慕い、母との結婚を祝福してくれます。
チョルジンとの仲も幼いころから続いたもの。互いの組織が抗争に陥らないよう、彼とのパイプがヒスを助けるとともに、より困難な状況に落としてしまいます。このへんの苦境に陥った時に苦り切った表情をチョン・ウが好演。
さらに、2組の小競り合いから誰が味方で誰が敵か、ヒスにも観客にも分からなくなっていきます。ヒスは頭が切れるとはいえ小さな組織だと見えない風景があります。そのあたりの悲劇でしょうか。やがて、物語は加速度的に血の色を濃くしていく。最初は善良だった主人公がどんどん悪にはまっていくというのはハードボイルドの鉄板。古くは「ゴッドファーザー」なんかがそうですね。本作もチョン・ウの顔がどんどん険しく、人相が悪くなっていって、裏社会の厳しさが実感されます。
ただ、あまりにもオーソドックスなストーリーですし、この手の映画をみているとある程度、先が読めてしまいます。また、韓国特有の痛いのアクションも本作ではリアル志向なのかちょっと地味に感じられました。渋いけれど今の時代になぜ本作が?という気もしたのが正直なところ。結局、人間はまっとうに生きなければだめだよねという小学生並みの感想になってしまいました。
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