2023年01月31日

ノースマン 導かれし復讐者

 北欧神話やバイキングの伝説をもとに、父である王を殺された息子の復讐劇を壮絶に描いたロバート・エガース監督らしい陰鬱な作品。エガースファンならおなじみの世界観で、ファンタジー風アクションを期待していくとたじろぐかも。 

 作品情報 2021年アメリカ映画 監督:ロバート・エガース 出演:アレキサンダー・スカルスガルド、ニコール・キッドマン、アニャ・テイラー=ジョイ 上映時間:137分 評価★★★★(五段階) 観賞場所:キノシネマみなとみらい  2023年劇場鑑賞26本



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 【ストーリー】
 9世紀の北欧。父である王(イーサン・ホーク)を王弟のフィヨルニル(クレス・バング)に殺され、母(ニコール・キッドマン)を奪われた少年アムレート(オスカー・ノバック)。殺されそうになったところを命からがら逃げだした。

 成長したアムレート(アレキサンダー・スカルスガルド)はロシアで略奪するバイキングの一員になり武芸に秀でていた。ある日、フィヨルニルがノルウェーに敗北し、少数の智周りだけでアイスランドに逃亡したと聞き、父の仇をうち母を取り戻すため奴隷に身をやつしてアイスランドに向かう。女奴隷のオルガ(アニャ・テイラー=ジョイ)の協力を得たアムレートは、フィヨルニルの営む農場に奴隷としてもぐりこむのだが…

 【感想】
 とにかく明度を落として時折白黒になるなど、陰鬱な雰囲気が終始つきまといます。アクションは血まみれになるリアル志向の一方、オーディンの神話や不気味な預言者(ビョーク)などファンタジー要素も盛り込まれています。また、人間の命など塵より軽い当時の社会観を反映して、女子供も含めてバンバン殺されていきます。ハムレットが血みどろになった感じ。

 幼い美少年のアムレートが数年で筋肉マッチョのおっさんになっているのは笑いましたけど、神話だから何があっても不思議はないのかな。心優しかった少年アムレートが、バイキングの侵略とともに無辜の女子供までばんばん殺していくのは、ダークヒーローとはちょっと違うけれど、通常のヒーロー映画とは違います。

 復讐のためには非情になるアムレートですが、オルガには情をかけます。しかし、これも今風のやさしさ、思いやりでなく、そもそもオルガ自身も猛獣のような性格。なんか獣同士が助け合っている気がしました。北欧神話でヴァルキリーをモチーフにしているだけに、金髪で険しい顔のアニャ・テイラー=ジョイが適役です。

 クライマックスで重大な秘密が2つ発覚し、アムレートはことを穏便にすますこともできました。しかし、女預言者の預言の影響で復讐こそが宿命と信じ込んでいた彼は結局、血みどろの戦いへと突き進んでいきます。このなんとも哀しい宿命が、北欧悲劇っぽさをましています。

 スカルスガルドやオスカー・ノバックといった北欧のスターに、キッドマン、イーサン・ホークといったハリウッドスターがうまい具合にかみ合いました。ちょい役にウィレム・デファーとか豪華スターの共演で、こんな血なまぐさい話ができるのはびっくり。でも、キッドマン、ホークを含めて血まみれにぴったりの演技をしているのだから、さすがハリウッドトップクラスの俳優と感心しました。
posted by 映画好きパパ at 06:10 | Comment(0) | 2023年に見た映画 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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