作品情報 2023年日本映画 監督:熊切和嘉 出演:中島裕翔、奈緒、永山絢斗 上映時間:99分 評価★★(五段階) 観賞場所:TOHOシネマズららぽーと横浜 2023年劇場鑑賞53本
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【ストーリー】
エリートビジネスマンの川村俊介(中島裕翔)は社長令嬢との結婚式の前夜、同僚の加瀬悦郎(永山絢斗)にサプライズパーティーを開かれ泥酔する。帰り道、俊介が気づくと穴の中に落ちて、足にけがをおってしまう。
警察に助けを求めたが、なぜかスマホのGPSがおかしく、いたずらと判断される。困った俊介は「マンホール女」というアカウントを作り、SNSで助けてもらおうと必死になる。何とかスマホがつながった元カノで看護師の工藤舞(奈緒)に、足のケガの対処法も教えてもらうのだが、ガスが噴き出すなど次から次へと難題がふりかかり。
【感想】
映画の冒頭、SNSでのネタバレはしないようにとのお達しがありました。ネタバレなしで感想を書きますが、勘勘の良い人は察しがつくかもしれません。本作も最初のタイトルロールのところで妙に凝った映像の作りで目が回りそうになりました。これまで見た熊切作品は独特の静かなスタイリッシュなものが多かったので、ちょっと意外。
それはさておき、やはり一番の問題がマンホールの中がいかにもセットで作りましたという感じだったこと。虫がはいずりまわっている場面なんかもありますけど、予算の都合もあるとはいえ、「フォール」「奈落のマイホーム」とは比べ物になりません。さらに、次から次へと襲ってくる危機も、えっ、それで?という感じばかりでした。
前半、イライラするところは後半への伏線となっているのですけど、伏線ばらしも含めて現実にはちょっと無理では?と思えることが多い。SNSの祭りって、最近よりも10年ぐらい前の2ちゃんねるのノリっぽかったし。この手の作品って、あとで矛盾に気づいたとしても見ているときに画面に没入できるかが出来不出来を分けると思うのですよ。「フォール」もあとから気づけば、そりゃ無理だと思えるシーンも見ている最中はそんな細かい矛盾なんかどうでもよくなるわけで。しかし、本作は逆に矛盾にいらだち、テンポの遅さが気になり、画面に没入できませんでした。ラストもプロットは良かったけど、現実的には疑問符がいっぱい。
そうはいっても実質一人芝居が大半だった中島は非常にがんばっていました。ファンからみれば意外な一面も見られるかも。奈緒や永山などの俳優の使い方もおもしろかった。やはりセットと、もう少し危険ではらはらする場面があれば、おもしろく見られたのにという気がしてなりません。
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