2023年02月24日

バンバン!

インドのアクション活劇で2014年制作ですが古びたところがまったくない完璧な娯楽作品。個人的には昨年話題になったRRRはもとより、最近見たアクション映画でトップクラスに面白かった。怪盗というのもわくわくしました。

 作品情報 2014年インド映画 監督:シッダールト・アーナンド 出演:リティック・ローシャン、カトリーナ・カイフ、ダニー・デンゾンパ 上映時間:156分 評価★★★★★(五段階) 観賞場所:横浜ムービル  2023年劇場鑑賞58本

 【ストーリー】
 植民地時代にイギリス政府に奪われたインドの秘宝ダイヤ「コヒヌール」がロンドンの博物館から盗まれた。盗んだのは国際テロリスト、オマール・ザファル(ダニー・デンゾンパ)の命令を受けた怪盗ラージヴィール(リティック・ローシャン)。だが、受け渡しの席でトラブルがおき、ラージヴィールは宝石を持ったまま逃亡する。

 田舎町の冴えないOLのハルリーン(カトリーナ・カイフ)は刺激を求めて出会い系サイトに登録。マッチングした男と町のレストランで待ち合わせする。だが、偶然、ラージヴィールがレストランにいたことから、テロ組織やゾーラワル捜査官(パワン・マルホトラ)率いるインド諜報局との世界をまたにかけた追跡劇に、彼女も巻き込まれてしまう…

 【感想】
 ローシャンは「人生は二度とない」「ア―ナンド先生の教室」で見たばかりですが、これほどまでのイケメンだったとはびっくり。カトリーナ・カイフもインドのトップ女優なだけに冴えないOLにしては美人すぎたとちょっと思ったのですが、コメディエンヌの才能を発揮しておりどんどんはまっていきました。オリジナルはトム・クルーズ主演の「ナイト&デイ」ですが、本作のほうがゴージャスさで上回ってました。

 ストーリーはアクション主体。最初は悪役の間抜けぶりやハルリーンの天然ぶりもあってそんな大したアクションではないのかと思いきや、さすがはインド映画。ド迫力のあるアクションがじゃんじゃん続いて、ラージヴィールも銃の名手で敵をどんどん射殺していきます。カーアクションも一級品でしたが、中でも予告編にある海上での追跡劇は、他のアクション映画ではみたことがなくて仰天しました。9年前の作品とは思えない斬新な構図です。オリジナルのトム・クルーズを見習って、ローシャンもほぼ吹き替えなしでスタントに臨み負傷までしたそう。それだけの迫力がスクリーンを通して伝わってきます。鍛え抜かれた筋肉もすごかった。

 冴えない日常にさようならというのか、観客代表のように味気ない毎日をぼやいてばかりのハルリーンが、変わり始めるのは今からというラージヴィールに巻き込まれ、冒険を繰り返すうちにどんどん成長していくのがすばらしい。2人のコンビも最初は喧嘩ばかりが、次第に息がぴったりになり、最後はハルリーンが主役っぽくなるというのも見ていて気持ちがいい。結婚観とかは日本に比べたらちょっと古臭い気持ちもしますけれど、女性がここまで大活躍するので、最後まで見ると痛快の一言でした。

 もちろん、インド映画ならではの音楽とダンスもたっぷり。「Tu Meri」の動画は1億8000万回もユーチューブで再生されていて、花火をバックなド派手なもので、映画本編をみなくてもおすすめです。笑えるのが熱愛を群舞で再現していると思ったら、実はハルリーンの妄想で現実ではオフィスで踊っている変な女になっていたこと。このへんの笑いがハードなアクションと良い対比になっており、テンポも良くて楽しめます。

 また、これまたインド映画っぽいというのか、年老いた親や家族への思いが強いのもいい。主役コンビが出演している「人生は二度とない」も制作後10年以上してから日本公開されましたけど、こんなふうに隠れた名作をぜひ、大劇場でじゃんじゃんと上映してもらいたいものです。

posted by 映画好きパパ at 06:04 | Comment(0) | 2023年に見た映画 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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