2023年03月22日

Winny

京都府警に不当逮捕され、最高裁で無罪となった後に急死したファイル共有ソフトWinnyの開発者、金子勇さんと弁護団の戦いを描いた社会派映画。金子さん側の人は実名で登場するなど非常に真摯な作品で多くの人に見てもらいたい作品の一つです。

 作品情報 2022年日本映画 監督:松本優作 出演:東出昌大、三浦貴大、吉岡秀隆 上映時間:127分 評価:★★★★★(五段階) 観賞場所:TOHOシネマズ六本木  2023年劇場鑑賞91本



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 【ストーリー】
 2004年、ファイル共有ソフトWinnyは革新的な技術と手軽さで爆発的に普及したが、著作権侵害など違法に使われることも増えていた。京都府警は開発者の金子勇(東出昌大)を著作権法違反のほう助容疑で逮捕する。

 ITに詳しい弁護士の壇俊光(三浦貴大)は、利用者が違法行為をしたからといってソフトの開発者を逮捕すれば日本の技術は衰退すると危機感をもつ。さらに、京都府警、地検が金子を騙す不当な取り調べをしていることを知り、刑事事件に強い秋田真志(吹越満)を含めた弁護団で、金子の無罪を法廷で明らかにしようとする。一方、愛媛県警の巡査部長、仙波敏郎(吉岡秀隆)は警察が架空の領収書で裏金を作る腐敗ぶりに内部告発を決意したのだが…

 【感想】 
当時、ちょっとかかわったことがあり事件にそれなりに知識があるつもりですが、本作は超絶傑作です。警察、検察が自分らの利権を守るためにいかにひどいことをしたのか、如実に描かれており、同じころに表面化した愛媛県警の公金不正事件を同時に描いているのもうまい。

金子さんを逮捕して、不当に技術を弾圧したため日本のIT技術は大きなダメージを受けたと思っています。Winnyはユーチューブやクラウド技術にもつながるところがあり、金子さんの技術は世界的にも進んでいた。にもかかわらず、捜査機関になんらお咎めがないことに怒りと悲しみでいっぱいになります。日本がここまで落ちぶれたのは、警察、検察をはじめとする官僚のせいでしょうね。映画ではあまり触れていませんが、そもそも京都府警が摘発したのも、Winnyで警察の情報が流出したためだという説も根強いです。

 金子さんがエロ動画目的で著作権侵害は承知していたなんていまだに中傷する輩もいますが、当時、裁判で弁護側証人にたった村井純慶応大教授は洗練された学術的に意義のあるものと高く評価しています。村井氏は日本にインターネットを導入した張本人。自身も弁護団に「その理屈だったら、日本にインターネット引いてきた俺が幇助じゃん」と話していたとか。

 また、愛媛県警の裏金事件は当時の状況を知らないと分かりにくいですが、このあと北海道警でも同様の事件が発覚して、警察組織を揺るがす大不祥事となりました。しかし、いつのまにかもみ消されています。金子さんとのパートとの関係が分かりにくいという声も出ていますが、警察組織の腐敗した実態と、あれだけ悪の手先みたいに言われたWinnyが裏金の証拠を流出させたことをみれば、日本の権力が腐りきっていることがよくわかり、うまいつなぎかただと思う指摘はわかるかな。ただ、Winnyの使い方も含めて、当時の状況を知らないと、分かりにくいとい

金子さん役の東出昌大は予告編では田中圭と見間違えたほど、太って本人の体形に似せており、一種のITオタクの変人役にぴったりです。弁護士役の三浦貴大も二世俳優とはいわせない実力派になりました。このほか、普段コメディチックな役柄の多い、吹越、皆川猿時、和田正人らの弁護団の真剣な演技、捜査責任者の渡辺いっけいの憎々しさなど脇役にいたるまで配役は完璧でした。紅一点の弁護士事務所の職員役木竜麻生が、専門用語を分かりやすく解説する役柄としておいしかった。なおエンドロール後半とエンドロール後に実際の金子さんの会見の様子があるので、お見逃しなく。
posted by 映画好きパパ at 06:01 | Comment(0) | 2023年に見た映画 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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