作品情報 2022年韓国映画 監督:キム・ハンミン 出演:パク・ヘイル、ピョン・ヨハン、アン・ソンギ 上映時間:130分 評価:★★★(五段階) 観賞場所:シネマート新宿 2023年劇場鑑賞101本
ブログ村のランキングです。よかったらポチッと押してください

にほんブログ村
【ストーリー】
1592年、秀吉の朝鮮出兵が始まると日本軍は連戦連勝。朝鮮半島の大部分を制圧した。だが、朝鮮水軍の将軍、イ・スンシン(パク・ヘイル)は装甲と火力に優れた新兵器「亀船」を投入。日本水軍を各地で打ち破っていた。
日本水軍の将、脇坂泰治(ピョン・ヨハン)はイ・スンシンとの決戦を決意。互いに情報戦や策略を繰り広げながらその日を迎える…。
【感想】
韓国では救世の英雄であるイ・スンシンの大勝利を描くとあり、豪華スターとド派手なSFXをみせてくれます。韓国で大ヒットしたのもわかります。ただ、朝鮮出兵の知識がないので、韓国側の登場人物はみんな髭はやして似たような顔だしわかりにくいところもありました。
興味深かったのが、よくある抗日映画では日本のトップはアホな悪役です。しかし、脇坂は残虐ですが武勇に優れた将軍として描かれていることでした。そのほうが、敵を倒した時のカタルシスはあるのに、こういう映画がこれまであまりなかったのは意外かもしれません。日本では日本側の登場人物は吹き替えていますが、オリジナルでは韓国語だったのか、演技も不自然なところがありませんでした。
イ・スンシンは日本軍だけでなく軍内部でも嫉妬を受けたり、火薬不足になやまされたりします。脇坂のスパイ(イ・ソジュン)が亀船の設計図を奪う一方、イ・スンシンも日本占領下の釜山で脇坂の愛人にスパイのボルム(キム・ヒャンギ)を送り込むなど、戦闘シーンのまえの諜報合戦もみもの。
そしてクライマックスの戦闘シーンは、SFXぽさは見えたものの、魚鱗の陣と鶴翼の陣が対決する派手な海戦。それまでの諜報合戦の成果もある一方、史実通り朝鮮水軍の誘因作戦にはまって、日本水軍が次々と木っ端みじんになって壊滅する様子はカネをかけているのだろうなと感嘆しました。こういう大作映画でのSFXは、韓国映画が邦画よりも進んでいますね。
ただ、史実では脇坂はこの後も日本水軍を率いて、イ・スンシンの後任に圧勝して制海権は日本が握り続けていました。この辺りは当然、触れられていないのが韓国の愛国映画っぽい。
【2023年に見た映画の最新記事】