2023年04月01日

THE FOOLS 愚か者たちの歌

 1980年に結成以来、インディーズロックの帝王とまで言われた「THE FOOLS」の栄光と挫折のドキュメンタリー。インディーズロックって全然知らなかったけれど、事実は映画より奇なりというかすごい世界だと実感しました。

 作品情報 2022年日本映画ドキュメンタリー 監督:高橋慎一 上映時間:113分 評価:★★★★(五段階) 観賞場所:シネマ・ジャック&ベティ  2023年劇場鑑賞104本



ブログ村のランキングです。よかったらポチッと押してください
にほんブログ村 映画ブログへ
にほんブログ村
 【ストーリー】
 1980年、天才的なヴォーカルといわれた伊藤耕と名ギタリストの川田良を中心に「THE FOOLS」は結成。反戦などのメッセージ色も強く、インディーズのまま活動は続けられ、対バンしたTHE BLUE HEARTSの甲本ヒロトも驚いたほどの、ものすごいレベルの高いバンドでした。だが、伊藤と川田をはじめ、メンバー同士の喧嘩は日常茶飯事。さらに、伊藤が度重なる麻薬事件で逮捕されるほか、長い間にメンバーは次々と脱退、死亡で入れ替わっていきます。

 映画は伊藤が度重なる服役のあと、刑期を満了して釈放された2013年からスタート。80年代の記録映像を交えながらバンドの歴史を振り返っていきます。インディーズ業界で多大な影響を与えたにもかかわらず、あるいはだからこそ、さまざまなトラブル、常識では考えられない自由奔放な生き方でファンを魅了するとともに、メンバーらの多くを破滅へといざないました。

 僕はロックはあまり詳しくないけれど、ライブシーンも何回も含まれており、メッセージ性の強い歌詞が強く印象に残りました。ステージ以外のぼろぼろな様子も含めて、これは伝説のバンドになるのも納得です。また、前科者になったり、家族もカネもなく年をとったりというメンバーたちですが、音楽にすべてをささげたという言葉がこれほどあてはまることはないでしょう。

 高橋監督は伊藤、川田らをはじめ脱退したメンバー、インディーズロック界の関係者に10年近くかけて次々とインタビューし、かなり本音に近い部分まで引き出しています。高橋監督も10代のころからあこがれていたバンドのノンフィクション映画を作れて、その思いがスクリーン越しに伝わってきます。よく、魂のライブとかいいますが、文字通り身も心も滅ぼすメンバーたちの強烈な生きざま、死にざまはすさまじいの一言でした。
posted by 映画好きパパ at 06:00 | Comment(0) | 2023年に見た映画 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前:

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント:

認証コード: [必須入力]


※画像の中の文字を半角で入力してください。