2023年04月02日

ベイビーわるきゅーれ 2ベイビー

 殺しの腕は一流、生活能力は3流以下の女性殺し屋ペアを描いた「ベイビーわるきゅーれ」の続篇。阪元裕吾監督はこの1、2年多作ですが、毎回、こちらの期待を上回る傑作を出してくるので楽しみな監督です。

 作品情報 2023年日本映画 監督:阪元裕吾 出演:高石あかり、伊澤彩織、丞威 上映時間:101分 評価:★★★★★(五段階) 観賞場所:横浜ムービル  2023年劇場鑑賞105本



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 【ストーリー】
 神村ゆうり(丞威)とまこと(濱田龍臣)はバイトの殺し屋。仲介役の赤木(橋野純平)は殺し屋協会の下請け仕事を持ってくるが、正会員でないためにひどいめにあうこともしばしば。赤木は2人に正会員を殺せばポストがあくので昇格できるという話を持ってくる。

 2人が狙ったのは杉本ちさと(高石あかり)と深川まひろ(伊澤彩織)のペア。たまたま訪れた銀行で強盗を退治したが、協会の仕事以外をした理由で謹慎処分になっていたのだ。今がチャンスと2人をつけ狙う兄弟だが…

 【感想】
 独特のアクション作品を繰り広げる阪元監督作品にしては珍しく、悪役がいません。神村兄弟は仕事はできるのに、バイトだと正社員にバカにされ低賃金のうえ失敗を押し付けられる日々を何とかしようとあがきます。実際に非正規社員の多いこの世の中では似たような話は聞いてるはず。しかも、イケメンのくせに女の子に純情なまことが定食屋の看板娘さくら(安倍乙)に片思いするエピソードもあり、神村たちを応援したくなりたくなります。

 一方で、ちさととまひろのだらだらした日常生活は前作同様楽しめます。銀行に行った理由も、ぼったくりの殺し屋協会の保険料を滞納しているためというブラックユーモアぶり。いや、これ協会が一番悪いんじゃねえ? 謹慎中は収入もなく、これまで気軽に利用していたコンビニスイーツも食べられなくなるなど、これまた身につまされる形。

 似たような境遇で人殺しでは悪人とはいえない2組とも応援したくなります。しかし、立場の違い、さらに周囲の犠牲などもあり引くに引けない闘いに。もし出会い方が違えば友人になったかもしれないのに運命は残酷ですね。ただ、カラッとした闘いぶりは青春スポーツ映画のよう。また、他の阪元作品と違って、モブの犠牲者が少ないのも特徴的でした。

 オフビートな笑いは前作に続いてのもの。協会の上司なのにちひろたちに軽くあしらわれてる須佐野(飛永翼)、死体処理班の田坂(水石亜飛夢)、宮内(中井友望)コンビと前作でおなじみの面々もとぼけた味わいで笑わせてくれます。極めつけは阪元作品にちょくちょくでている渡辺哲。「花束みたいな恋が好き」の熱烈ファンで、ちひろたちに観ることを強要するという無茶ぶりキャラクターは大笑いしました。

 アクション監督は前作に続いて園村健介が担当。監督作の「BAD CITY」の斬新で重厚なアクションも記憶に新しいですが、本作はメインキャラクター4人の特徴をいかしたアクションを魅せてくれます。特に女性のアクションは軽やかでスピーディー。観ていて舞っているようです。

 高石は最近、露出も多いですがやはり本作のようなアクションは水を得た魚。女性伊澤とのコンビも別キャラクターで登場した「ある用務員」を含めて3作目となり息もぴったりでした。日常のだらだらぶりも相変わらず観ていて楽しい。ぜひ、息の長いシリーズで、それこそ一生このシリーズを続けてほしい。

posted by 映画好きパパ at 07:04 | Comment(0) | 2023年に見た映画 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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