作品情報 2023年日本映画 監督:竹中直人 出演:斎藤工、趣里、MEGUMI 上映時間:128分 評価:★★(五段階) 観賞場所:テアトル新宿 2023年劇場鑑賞121本
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【ストーリー】
ヒット漫画家だった深澤薫(斎藤工)はスランプ気味で8年続いた連載が終了し、次の仕事の当てもない。妻で編集者ののぞみ(MEGUMI)にイライラをぶつける一方、デリヘルにはまっている。
学生時代の恋人(玉城ティナ)に手ひどい別れたかたをした薫は、猫のような目をした女性が苦手だった。だが、猫のような目をしたデリヘル嬢のちふゆ(趣里)にはまっていき…
【感想】
基本的なテーマは芥川龍之介の地獄変のように芸術家の狂気や、売れる作品と自分が書きたい作品のギャップなどよくあるもの。俳優である竹中直人が監督することで、余計にそのへんのことを深堀したのでしょう。斎藤のやさぐれた漫画家ぶりは好演です。
ただ、冒頭とエンディングでいきなり不協和音のSEが流れて、生まれて初めて映画鑑賞中に手で耳を抑えてしまいました。さらに登場人物がどいつもこいつも人間の嫌なところをむき出しにしたような人物ばかり。特に脇役が徹底的に救いのないのがみていて嫌になります。女子高生の太ももとか妙なフェチ的カットもいらっときました。
担当編集者の徳丸(永積崇)は売れなくなったとたんに薫から居留守を使う。学生時代のゼミ仲間(黒田大輔ら)は陰で漫画の悪口をいう。アシスタントの富田(山下リオ)はメンヘラなどなど。一見、常識人にみえるのぞみや、学生時代の友人(吉沢悠)も、仕事や子供について世間の常識を押し付けてくる。だいたい、今は性風俗嬢もルックス、コミュニケーションのレベルが上がっているのに、いかにも既視感ありありな対応などなど。
原作マンガは未読ですが、そもそも薫の言う売れるマンガと上質なマンガの違いが映画ではわからないのが弱い。偏屈な芸術家が勝手なことをいってるだけにしかみえなくて、共感しにくかった。まあ、あれだけ嫌な気にさせるというのは演出、役者の演技がはまっているからでしょうし、玉城を久々に真正面から美人にとっているのも評価できます。でも、延々不愉快な思いで最後にダメ押しされるとま、いいかと思ってしまった。なお、最初、声だけ登場していた売れっ子漫画家が、実は安達祐実だったというのが一番びっくり。
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