作品情報 2023年日本映画 監督:小中和哉 出演:上村侑、高石あかり、福澤希空 上映時間:113分 評価:★★★★(五段階) 観賞場所:ユーロスペース 2023年劇場鑑賞135本
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【ストーリー】
1978年、スターウォーズに圧倒された高3の広志(上村侑)は、クラスメイトの喜男喜男(福澤希空)とともに宇宙船のミニチュアを作り、特撮シーンを8ミリで撮影する。それを観たカメラ屋のアルバイトで大学の映画研究会メンバーの寺尾(佐藤友祐)から、特撮だけでなく1本の映画にするようアドバイスされる。
折から、クラスの文化祭の出し物が決まらなかったため、広志は映画制作を提案する。ヒロインにはクラスメイトでひそかに好きな夏美(高石あかり)を起用するつもりだった。山下に出演を断られるも、映画好きの担任教師丸山(川久保拓司)の後押しもあり、脚本を完成。再び夏美に出演をオファーして承諾を得る。かくして高校最後の夏休みは、自主映画作りとなり…
【感想】
フェイブルマンズと似た感じで、タイトルからsuper8にインスパイアされてますが、豊かな家庭だったスピルバーグとちがい、広志は日本で普通の高校生。高価な機材は使えません。また、サマーフィルムに乗ってと違い、8ミリが主流で撮影も大変。何より、映画つくりの基本がまったくわかっていませんでした。それでもあふれる情熱で欠点をカバーするうえ、寺尾や丸山からのアドバイスもあり、映画つくりはどんどん本格化していきます。最初は何もできなかった広志たちがひねりだしたアイデアの数々をみると、広志の映画作家としての成長がきちんと描かれています。
広志、夏美、喜男にクラスメイトの佐々木(桑山隆太)がメインのスタッフ。4人が一丸となって映画つくりに邁進するシーンは、青春の一ページとして輝かしい。そして内気で口下手な広志の夏美に対する思いも、はらはらしながら応援したくなります。
この手の映画では珍しく、クライマックスでは自主映画が全編流され(虹の女神以来?)、撮影風景をみていた僕ら観客も、あの時はああいう撮影をしていたと納得。実際に小中監督が高校時代に作った作品をもとにしていることで、いかにも高校生が作った自主映画として仕上がっていました。僕自身、観客として映画をみるのは好きですが、こういう映画つくりに参加したことはないので、広志のような映画作りのセンスがあるのはすごいと思うし、仲間たちと高校時代最後の夏を貴重な思い出にできるというのはうらやましいかぎりです。
「許された子どもたち」で衝撃デビューを飾った上村は、どこにでもいそうだけど映画を心から愛する高校生を熱演。最近テレビ、映画に大活躍の高石が、アクション皆無だけどしっかり見せ場を作り、マドンナ役にぴったり。佐藤、川久保、カレー屋の北岡龍貴ら高校生たちを後押しする大人もいい味をだしていました。
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